発がん性物質、基準値を2.9倍!? 「SHEIN」「Temu」など安価なハロウィンコスチュームを手に取るリスクを米専門家が解説
子どもに悪影響を及ぼす可能性も
こういった毒素は、化学物質に対して敏感で、曝露による悪影響が大人とは異なる子どもたちに健康被害をもたらすそう。特に鉛は子どもにとって有害で、定期的に曝露されると神経系の障害や知的障害を引き起こす可能性も。 さらに2023年に発表された研究では、化学物質が汗などの湿気によって衣服から浸出し、家庭内の他の衣服に吸収されることも判明しているという。環境化学者でトロント大学の教授でもあるミリアム・ダイアモンド氏は、「生地と化学物質は時間とともに劣化します」といい、このように語っている。 「クローゼットや引き出しの中に入れておくと、他の衣類に有害な化学物質を共有してしまう可能性があります。もちろん、洗濯の際にも共有されてしまうのです」 また同紙によると、アメリカ政府は鉛、カドミウム、特定のフタル酸エステルの3つの化学物質のみ子ども服への使用が禁止されているが、衣料品から有害物質を排除することを目的とした団体「ZHDC」のスコット・エコールズ氏は、安価なハロウィンコスチュームを販売する業者がその低いハードルをクリアしているかどうかさえ確信が持てないという。
化学物質が検出された販売業者の対応
「Spirit Halloween」は検査やサプライヤーに関する情報をウェブサイト上で公開していないが、『The Guardians』紙に対し、「子ども用コスチューム、おもちゃ、アクセサリー、装飾品はすべてテスト済みであり、子ども用製品に関する連邦規制およびカリフォルニア州のプロポジション65(安全飲料水および有害物質施行法)に準拠している」とメールで声明を発表しているとのこと。 「Halloween Express」はウェブサイトにて、連邦政府の規制に準拠していることを確認するため、定期的に製品のテストを行っていると記載しているものの、販売されている複数の商品には、「衣装の一部または全部が着用者を鉛にさらす可能性がある」という警告も記載されている。 エコールズ氏は、安価で質のいいコスチュームを手に入れたいのであればリサイクルショップに行くこと、そしてフェイスペイントを購入する際もファストファッションのショップではなくドラッグストアで買うこと、無名のブランドを避けることを勧めている。
Harper's BAZAAR JP