「長い間、夢に見てきたから」 ザンダー・シャウフェレが語るメジャー2勝目
◇メジャー最終戦◇全英オープン 最終日(21日)◇ロイヤルトゥルーンGC(スコットランド)◇7385 yd(パー71) 【画像】松山&中島が公式会見 「パリ五輪」フォトギャラリー 5月の「全米プロ」優勝から2カ月、ザンダー・シャウフェレが早くもメジャー2勝目を手に入れた。ロイヤルトゥルーンでの「全英オープン」で最終日に逆転。PGAツアーのオリジナルコラムで、スコットランドでの喜びを自ら語った。
By ザンダー・シャウフェレ
13歳でゴルフに本格的に取り組み始めた僕は、15、6歳になると、父とともに将来の目標や夢を話し合った。当時の父と僕は一緒にソファーに座り、一流選手たちがメジャーで勝つ姿をテレビ越しに眺めてきた。「全英オープン」も同じ。2017年に自分が初めて出場するまでずっとそうで、僕たちにとっては永遠に夢の舞台だった。 日曜日、18番グリーンに向かって歩いた気分は最高としか言いようがなかった。黄色のリーダーボードの前でチャンピオンが受けるスタンディングオベーション。僕の経験で最も素晴らしいもののひとつになった。でも、まだトーナメントは終わっていない。鳥肌を抑えて、次のプレーのためにすぐに集中力を取り戻さなくちゃいけなかったんだ。
“全英オープン王者”と呼ばれることを心から光栄に思う。長い間、夢に見てきたから。クラレットジャグを前にしただけで言葉が出ない。一人で部屋に座っていたら、ずっと見ていることだろう。信じられないほど高揚した気分でいる。 結局のところ、優勝した事実というのはひとつの結果に過ぎないだろう。物事はうまくいくときもあれば、うまくいかないときもある。それでも、トゥルーンでの最終ラウンドは、多くのことを僕はコントロールできた。リードを守り続けることを最後まで全うできた。過去の敗戦、バックナインで気持ちが焦って出たミスから学び、そうならないようにすることができた。5月に「全米プロ」で優勝したことが、もちろん助けになったはずだ。難しいバックナインでも平常心を保てたと思う。 日曜日の「65」はもちろん、これまでの最高のラウンドのひとつだった。メジャーでは平静であるときも、すごくストレスがたまる時間帯もある。今回はどちらにも心が揺れず、嵐をうまく乗り切れたはずだ。 地元のファンのみんなにも感謝しなくてはならない。前週の「ジェネシス スコットランドオープン」から2週間、スコットランドに滞在した。ここを第二の故郷のように感じている。この地域で長く過ごすことは、全英を勝つためには必要なことだと改めて実感した。時差に慣れ、芝やポットバンカー、細かい砂に風、米国とは異なる遅いグリーンにも早いうちに対処できた。 2022年のスコットランドオープン優勝は、僕の力が海外(米国以外)でも通用したという意味で非常に大きかった。その自信を増幅させて、この国でメジャーを勝てたことが本当にうれしい。すべてのプロセスに価値があると感じる。妻に両親、兄、叔父と一緒に、家族全員で祝うことができてこれ以上ない気持ちだ。 次は「パリ五輪」。3年前の東京に続いて、金メダルを勝ち取れるようフランスでも楽しみたい。