過去には「自白はでっちあげ」発言も 捜査のカギは勝田容疑者供述と客観的事実の整合性
長期未解決事案だった18年前の小4女児に対する殺人未遂事件で、容疑者の男が逮捕された。膠着(こうちゃく)状態だった捜査を一気に進展させたのは、事件への関与を認めた男の供述だ。今後は客観的事実によってどこまで供述の信用性を担保できるか、裏付け捜査が鍵となる。 【ひと目でわかる】女児連続襲撃か 容疑者をめぐる事件の経過 「私は絶対に殺害していないのに、噓をでっち上げてここまで話を大きくしてしまい、大変後悔しています」 勝田州彦容疑者は、無期懲役が確定した岡山県津山市の小3女児殺害事件の1審岡山地裁の最終意見陳述で、自身の捜査段階の自白について「でっち上げ」と語った。 勝田容疑者は岡山事件で逮捕・勾留中にいったん自白したが、接見に訪れた弁護人には内容を否定。同じ日に再度自白したものの数日後には撤回し、公判では一貫して無罪を主張した。 他に直接証拠のない岡山事件では捜査段階の自白の信用性が争点に。主に女児の殺害態様(刺された部位や受傷の状況など)に関する勝田容疑者の供述と客観的事実との合致から「実際に体験した犯人だからこそ供述できた」と自白の信用性を認めた。 勝田容疑者は今回の逮捕容疑となったたつの市の事件のほか、17年前の加古川市の小2女児刺殺事件についても関与を示唆しているとされる。 今後も両事件について関与を認めた供述を維持するか、仮に撤回したとして、それまでの供述にどこまで具体的事実との一致があるかが、今後の起訴の可否を占う焦点となりそうだ。