スターウォーズのレーザー砲が現実に…「未来戦争」ゲームチェンジャーを育成する韓国の研究機関
【08月30日 KOREA WAVE】1977年に公開されたSF映画「スターウォーズ」には、光線剣やレーザー砲などさまざまなレーザー武器が登場する。レーザー武器は、未来の戦闘を描いた多くの映画で使用されてきた。科学者たちは、無音性・超高速性・直進性を持つレーザービームが高出力のエネルギーを備えれば、強力な武器になる可能性があると考えている。 実際、ロシア・ウクライナ戦争では「ドローン戦」が注目され、それに対抗する防衛システムとして「レーザー迎撃システム」が脚光を浴びている。1回の発射にかかる費用が数千ウォン(1ウォン=約0.11円)と、数千万ウォンに達する迎撃ミサイルより経済的で、光の速度で飛び敵のドローンを正確に撃墜できるためだ。 ただ、レーザーを武器として活用するためには、出力を大幅に引き上げる必要がある。皮膚科で使用されるレーザーの出力が0.5W程度であるのに対し、それを1万から10万W程度にまで増強し、遠くまで飛びかつ集中して威力を発揮できる高品質のレーザーを作らなければならない。 韓国・光州科学技術院(GIST)の高等光技術研究所は、未来戦争のゲームチェンジャーとなるレーザーを専門に研究する場所で、国内唯一の光科学・技術分野の教育および研究機関だ。2001年5月に設立されたこの施設は、瞬間出力4PW(ペタワット、1PW=1000兆W)という超高出力レーザー設備を備えており、光科学・技術の研究開発を進めている。 研究所の規模は約4958平方メートル。特殊な研究施設であり、ペタワットのレーザー光を発生させる技術を開発している。施設内では、4週間の実験と2週間の保守・管理を繰り返して運営しており、現在は保守期間中だった。壁の厚さは1メートルほどで、高出力レーザー実験中に発生するガンマ線や中性子を防ぐための措置がとられている。 超高出力レーザーは強力な磁場を発生させ、真空やプラズマ状態を作り出すことが可能で、宇宙の環境に近い状態を人工的に再現し、星の内部で起こる現象を観測・研究できる。 レーザー研究の応用範囲は広く、防衛産業から医療、半導体分野まで多岐にわたる。研究所では、国産航空防衛システム「DIRCM」などの技術開発にも貢献している。さらに、医療分野では、眼底検査装置「OCT」などの技術開発も手掛けている。 また、半導体分野では、精密な光の生成技術が求められ、超高出力レーザーはDRAMやHBMなどの高性能半導体の製造にも欠かせない技術となっている。 GIST高等光技術研究所は、今後もディープテック企業の高度な研究開発を支援し、新しい製品やサービスの開発に寄与していく方針を明らかにしている。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News
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