再開した和菓子店 支援物資の配送“打ち切り”自主避難者も 発災2か月…広がる差
日テレNEWS NNN
発災から2か月となった能登半島地震。壊滅的な被害を受けた輪島市の和菓子店では、ようやく一部の商品の販売が再開されました。一方、自主避難を続ける男性は、今月から物資の配送が打ち切りに。「いつまで頑張ればいいのか」と涙ながらに訴えました。
■“壊滅被害”も製造再開へ…菓子店「今やれる環境のなかで進めていこうと」
1日、石川県の金沢駅にある土産物店には、被災した菓子店で作られたプリンがずらりと並んでいました。 山形から出張で来てプリンを購入した人 「買うことによって支援につながればいいなと」 輪島市の工場が被災したため別の厨房を使って2か月ぶりに製造を再開。昼過ぎには、約200個が完売しました。 「news zero」の中島芽生キャスターは、その被災した店を訪ねました。輪島市で老舗和菓子店を営む中浦政克さん。
老舗和菓子店を営む中浦政克さん 「ここですね、うち。きれいに焼けましたね。もう2か月たったのか、そんな印象ですね」 輪島にある工場と、4店舗中3店舗が使えない状態になった中浦さんの店。地震で多くのものを失うなか、2か月を前に見つけたのは、地震後も奇跡的に電気が通っていて、無事だったという輪島朝市の名物「えがらまんじゅう」です。
冷凍庫に保管されていたものが販売できるのか、この日初めて確かめるといいます。 中浦政克さん 「おいしい! 思ったより全然いい! やわらかいし良かった」 発災から2か月。今、販売できているのは、プリンだけですが、次は輪島市でこのまんじゅうを“復興朝市”のようなかたちで販売したいといいます。 中浦政克さん 「軒下かテントとか、とにかく今やれる環境のなかで進めていこうと思ってます」 一歩ずつ、前へ。
■支援物資“最後の配達”「いつまで努力すればいいのか…」
一方、輪島市に住む保靖夫(ぼう・やすお)さんは、地震発生当日から近所の人とともにビニールハウスで自主避難を続けています。 保靖夫さん 「配達を打ち切るということで、ちょっと困ってる」 これまで市から毎日2回届けられていた支援物資の配達が、「人員確保」などの理由から2月末で打ち切りになったのです。 そこへ、“最後の配達”がきました。 配達業者 「たくさんありますよ。これで終わり。今日で終わりなもんで、お世話になりました」 保さん 「いやいや、こっちこそ、いろいろありがとう。ありがとうございました」 今も自主避難所が23か所ある輪島市。今後は、近くの拠点へ避難者が自分たちで物資を取りに行くことになります。 保さん 「仮設住宅のことでも、ある期間というか、いつ頃までにやろうと思ってるのでとか、その間だけはみんなで頑張ってくれとか、いつまで努力すればいいのか、それすらもはっきりいってわからないという感じ」