内申点はどのくらい重要?高校受験を目指す親子が知っておきたい基礎知識
何が学びたいか、なぜこの高校に入りたいかーー高校受験は本人の意思が反映されやすい。すでに中学受験を目指している家庭も検討中の家庭も、子どもの学習状況を踏まえた進路の道を考えてみよう。(文=大根田康介) >>前回の記事「中学受験と高校受験が向く子の見極め方」から読む
公立か私立かで調査書の関わり方が違う
高校受験は、公立か私立か、さらに都道府県によっても試験内容が異なる。教育アドバイザーの清水章弘氏に、概要を聞いた。 東京都の例を紹介しよう。都立(公立)の一般試験は5教科で、東京都教育委員会作成の「共通問題」だが、一部の都立高校では、英・数・国の問題を学校独自で作成する「自校作成問題」が出される。「進学指導重点校」や「進学重視型単位制高校」に指定されている10校が該当し、問題は教科書の範囲を超えるケースもある。 「独自問題を課す戸山や青山なら英語、日比谷なら国語の難度が高いなど学校ごとに特徴があり、目指す場合は、早めに第1志望を決め、その学校に向けて対策する必要があります」(清水氏) 学力試験の他に調査書(内申点)も考慮される。東京都の場合、学力試験が700点、調査書が300点(対象は中学3年の2学期のみ)、スピーキングテストが20点で、合計1020点満点だ。一方、京都や大阪では学力試験と調査書がほぼ同じ割合で、調査書の対象は中学1~3年の全学期。総合的に見て、東京都は学力試験を重視していることが分かる。 東京都、大阪府、京都府の割合の違いを、図2にまとめた。
私立高校を目指す場合は中学入学直後から要対策の場合も
推薦も、自校作成校とそれ以外で対策が分かれる。自校作成校で求められる内申はオール5が基本で、理・社の知識を絡めた小論文が課される。それ以外の学校は内申の基準はさまざまで、作文で聞かれるのは中学生活で力を入れたことや自己の強みなどだ。 私立高校を目指す場合は少々勝手が違う。一般入試は3教科の学力試験のみで、調査書は関係ない学校がほとんどだと考えていい。「学校によっては、中学入学直後から専門的な対策が必要。例えば、慶應義塾は英・数・国で、中央大学附属は英・数で多くの問題が中学の範囲を超えています」(清水氏) 私立でも推薦の場合は、調査書が関わる。その割合や試験項目は学校によりさまざまだ。自分の選択に対して納得感を持ちやすい高校受験は、中学受験よりもミスマッチが起こりにくいと考えられる。 最終的には、子どもが自分の人生に責任を持つという意味で、自分で「この高校がいい」と決め、選んだ道を正解に変えていく。そのプロセスを高校受験で経験することが、今後の人生に大きなプラスとなるだろう。
ダイヤモンド・ライフ編集部