男性がもらいにくい「遺族厚生年金」とは?2024年度の金額が決定
厚生労働省の「第6回社会保障審議会年金部会」資料によると、遺族厚生年金受給者は女性が多くを占めています。 【一覧表で比較】遺族年金の受給状況を妻・夫で比べてみた 「どうして男性はこんなに少ないのかな?」「遺族年金の受給要件は?」などの疑問を感じる人もいるでしょう。 本記事では、遺族年金の受給要件と男性がもらいにくい理由について解説します。 記事後半では2024年度の年金額も紹介しますので、万一の事態も想定して将来の生活設計を考えてみましょう。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
遺族厚生年金とは
遺族厚生年金は、厚生年金に加入している(または加入していた)人が死亡したとき、その遺族に支給される年金です。 年金が支給される遺族には、配偶者以外に子どもや父母なども含まれますが、遺族年金を受給するのはほとんどが死亡者の配偶者です。 遺族年金の対象となる死亡者の要件は次の通りです。 ・厚生年金の加入中の人(※) ・厚生年金の加入中に初診日がある病気などが原因で初診日から5年以内に死亡した人(※) ・1級・2級の障害厚生(共済)年金を受けとっていた人 ・老齢厚生年金の受給権者であった人 ・老齢厚生年金の受給資格を満たした人 ※死亡日の前日において、保険料納付要件を満たしていることが必要です。
遺族年金の受給状況
遺族年金には、遺族基礎年金と遺族厚生年金の2種類があります。前述の厚生労働省資料によると、それぞれの受給状況は次の通りです。 ●遺族年金の受給者数と割合 【遺族基礎年金】 ・夫:1万4117人(17.1%) ・妻:6万1913人(74.9%) ・子ども・ほか:6664人(8.1%) ・合計:8万2694人(100.0%) 【遺族厚生年金】 ・夫:9万2201人(1.6%) ・妻:554万6313人(97.1%) ・子ども・ほか:7万5604人(1.3%) ・合計:571万4118人(100.0%) ●遺族厚生年金の受給者は遺族基礎年金より多い 遺族基礎年金の受給者約8万人に対し、遺族厚生年金は約571万人と大半を占めます。 遺族基礎年金は、次の要件を満たす子どもがいないと配偶者や子どもに支給されないからです。 ・18歳到達年度の末日まで(高校卒業の3月まで)の子ども ・1級・2級の障害の状態にある20歳未満の子ども 遺族年金受給者の約96%は60歳以上と高齢で、上記条件を満たす子どもがいないケースが大半です。 ●女性の受給者は男性より多い 受給者に占める妻の割合は非常に高く、特に遺族厚生年金の受給者は大半が妻です。 ・遺族基礎年金:妻の割合が74.9% ・遺族厚生年金:妻の割合が97.1% 夫は遺族年金、特に遺族厚生年金をもらいにくいと言っていいでしょう。 次章では、男性が遺族厚生年金をもらいにくい理由と2024年の年金額を解説します。