「政治的活動なので、ポスターをはがすように」高校時代の経験から… 20歳が見た総裁選の「内輪感」
「憲法改正は聞いてほしかった」
ーー後半は、代表の記者から質疑がありましたが、最後は時間制限の関係で、「憲法改正」はとばされて「衆議院解散の時期」に関する質問が優先されました 「憲法改正は生活に関わるテーマとして関心を持っていたので、残念でした。聞いてほしかったです。記者の方々にとっても、政策より政局が優先テーマなのでしょうか。自民党政権にとっても、最も力を入れてきたことのひとつ。せっかくの総裁選なら、いかに世論の関心を集めて議論を巻き起こすかが大事だと思うのですが」 ーーポスター掲示の騒動から2年が経ち、白坂さんは若者の政治参加についてSNSなどで発信を続けていますが、同世代の政治への無関心はあまり変わっていないと受け止めているそうですね。総裁選にかぎらず、政治に関心がない人が多いのはなぜなのでしょうか? 「裏金問題などで政治不信が加速していることもありますが、そもそも政治に期待していないと思います。たとえば、何かお金に困っていても、政治がすぐ解決してくれるわけではないので、隙間時間でバイトをした方が早いなど、現実的に解決しようとしてしまうんです。その上、政治の話題を避けがちな空気も強いままです」
大人側が用意した「レール」
ーー私も、個人としても政治の問題を話題にすることがありますが、同世代や後輩の中にはちょっと冷めた態度で受け流す人も多い気がします 「高校や大学で政治や社会課題について話すと、『偏った人』のように見られることが多い。しかも、学校では模範解答や校則といった用意されたレールに従うのが優等生とされていて、既存の体制を批判的に見て改善方法を考える教育がされていません」 ーー大人側の「レール」が用意されていると、自発的に考える機会は少なくなりますよね 「レールからはみ出すと、『問題児』扱いされてしまうので、頭の良い生徒ほど、従った方が楽だと考えるようになります。学校教育からの流れがそのまま引き継がれていると思います。いちいち政治家の問題点に反応して批判していたら、生産性がないという考えから、政治に積極的な関心を持とうとしない人がたくさんいますね。政治家の矛盾などに気がついている同級生は多いんですが……」 ーーどうしたら政治との距離を縮められると思いますか? 「まずは、身の回りの小さな違和感を口に出してもいいと思います。それが政治とつながっていることに気づけば、少しずつ政治への関心度も変わってくるのかもしれません」