【春季和歌山大会】市立和歌山が延長戦を制してセンバツ出場・田辺に秋のリベンジ
市立和歌山が昨秋に敗れた田辺にリベンジして4強入りを果たした。 昨秋は準々決勝で対戦するも2対9で7回コールド負け。2季連続の甲子園出場を阻まれた。田辺の対戦が決まってからは「必ず田辺を倒す」と主将の宇治田 隼士(3年)を中心に練習から士気が高まっていた。 【トーナメント表】春季和歌山県大会 結果一覧 しかし、21世紀で今春の甲子園出場した田辺は初回から強さを見せつける。1回裏に二死一塁から4番・山本陣世(3年)のレフト線への適時二塁打で先制すると、続く5番・前田 海翔(2年)が左前適時打を放ち、リードを2点に広げる。 いきなり追いかける展開となった市立和歌山だが、先発の木村 壮孜(3年)が粘り強い投球を見せて追加点を許さない。すると、5回表に一死一、三塁から2番・福田 大地(3年)の投手ゴロで1点を返す。さらに二死二塁から3番・村上 遥飛(3年)の内野安打に相手の失策が重なり、同点に追いついた。 その後は両チームとも得点がなく、互角の攻防を繰り広げる。田辺はエースの寺西 邦右(3年)が130キロ台後半の勢いのあるボールで市立和歌山打線を抑え込むと、市立和歌山も7回裏に二死二塁から左前安打を浴びるも左翼手の玉置 大翔(3年)が好返球を見せて本塁でタッチアウトにするなど、要所で好プレーが出た。 試合は2対2の同点で延長戦に突入する。10回表の市立和歌山は1番の玉置がバントを失敗するも代打の勝元 瑛人(3年)が四球を選んで一死満塁とする。 この場面で打席に立つのはここまで2安打を放ちながらも2失策していた3番の村上。「守備のミスもあって、ここぞという時に点を取るぞという気持ちで打席に立ちました」と2ボール2ストライクから外角のストレートを振り抜き、打球は右中間を破る。結果は走者一掃の3点適時二塁打となり、大きな勝ち越し点を奪った。 市立和歌山はさらに二死二塁から5番・石山 大翔(2年)の右前適時打で1点を追加。好投していた寺西をマウンドから引きずり下ろした。 田辺はここで遊撃手の山本陣に継投。投球練習で142キロを計測し、球場をざわつかせた。 4点リードとなった市立和歌山は7回から登板している2番手の爲則 太智(3年)がこの日最速となる141キロを計測するなど、10回裏も力強い投球を見せる。田辺の反撃を1点に留め、見事にリベンジを果たした。 「同じ相手に2回も負けられないというのは練習からひしひしと伝わっていましたので、苦しいゲームでしたけど、最後はその思いを表現してくれたと思います」と選手の頑張りを讃えた半田 真一監督。試合を通じてベンチからはよく声が出ており、この試合に懸ける想いの強さを遠目でも感じることができた。 これで夏のシード権を獲得したが、まだ通過点に過ぎない。「県内を圧倒して勝つことが目標」(村上)と頂点を目指して邁進する。