エアバス、11月の納入が80機超 2018年以降で最高=関係筋
Tim Hepher [パリ 2日 ロイター] - 欧州の航空機大手エアバスは11月の航空機納入実績が前年同月と比べて少なくとも25%増えて80機を超えたもようだ。複数の業界関係者が語った。11月の実績としては89機を納入した2018年以降で最高となる。同社は夏場に納入が減少していたが、年間目標の達成へ向けて勢いが回復している。 エアバスは今年半ば時点でエンジンの供給不足が利益を圧迫するとの見通しを示していたが、エンジンメーカーCFMとの間で短期的なエンジンの供給を巡って合意に達したことを受け、11月に納入が大きく増えた。 関係者の話では、これによりエアバスは今年これまでの納入実績が640機となった。同社は今年7月、今年の年間納入目標を従来の800機から770機程度に引き下げた。 エアバスが今年の新たな納入目標を達成できると考えているアナリストはほとんどいない。だが多くのアナリストは、同社は見通しを慎重な言い回しで伝えているため、年間の納入実績が750機であれば、目標を再び修正しなくても投資家に納得してもらえるのではないかと話している。 年間で750機を納入するには、あと110機程度を納入しなければならない。昨年12月の納入実績は112機だった。 ジェフリーズのアナリスト、クロエ・ルマリエ氏は「(年間目標の)770機には到達できないかもしれないが、765機は達成可能だ」と指摘。同氏はエアバスの11月の納入実績を85機と推計している。 こうしたエアバスの納入増加傾向は、ライバルの米ボーイングとは対照的だ。ボーイングはストライキ終結を受けて生産を緩やかに再開する方針を示している。 英国を拠点とするコンサルタント会社シリウム・アセンドは、ボーイングの11月の納入実績を12機程度と推計している。