「首を絞められ胸を触られ…」ベンチャー投資最大手「ジャフコ」で卑劣セクハラが起きていた《被害女性が告発》
首を絞められ、無理やり胸を触られ…
同年12月18日、オフィス内で開かれた忘年会。会も終盤になり、岩田さんが身支度をして帰ろうとエレベーターホールにいたところ、A氏とB氏が近づいてきた。 「B氏は『もう帰るのかよ』と声をかけてきて私のマフラーを引っ張り、首を絞めてきた。B氏はA氏に『お前もそっち(マフラーのもう片方)を持て』と指示。すると『俺はこっちの方がいい』と無理やり胸を触ってきました。床に倒され抵抗することはできず、解放されてからは呆然としてしまった」 岩田さんは会社に被害を報告。A氏、B氏は行為を認め、翌年1月に懲戒処分が下った。その後、B氏は依願退職で会社を去った。
「セカンドハラスメント」を受け、給与は半額に
だが、被害はこれだけに留まらなかった。 「B氏は懲戒後、当時役員で現在は取締役社長の三好啓介氏の指示で社員の前で謝罪しました。私は三好氏には『(セクハラについて社内の人間に)話すこと自体やめてほしい』と伝えていたのですが、『具体的内容には触れず、加害者所属部員に限定して話す』と言われた。そもそも女性社員が少ない会社でB氏と関わりがあるのは私を含めて数名。被害者が私だと推定される要因になりました。この出来事がきっかけで心療内科に通院するようになり、適応障害と診断された」 近年では、ハラスメントを告発した被害者がさらに「セカンドハラスメント」に遭うケースが問題視されている。岩田さんはまさにその被害を訴えているのだ。さらにこんな追い打ちも受けた。 「2020年10月、今度は執行役員の松本季子氏から『退職金を出すから』と退職を勧められた。断ると次には給与を半額にすると提示され、応じなければ退職するしかないと迫られました。やむなく給与半額を受け入れる契約書に署名しました。面談の際、松本氏からは『異質』、『したたかな感じ』、『軽い』など人格を否定するような発言もありました」
急性ストレス性胃炎を発症、休職の末に雇止め
追い込まれた岩田さんは同年12月、昼食で外出した際に新橋の路上で倒れた。急性ストレス性胃炎を発症した。 「休職せざるを得なくなり、結局は2022年10月31日付で雇い止めになりました」 岩田さんはセクハラ発覚後の対応も含めてジャフコ社は従業員の安全配慮義務に違反しているとして、慰謝料を求めている。 雇い止めも客観的に合理的な理由はなく、社会通念上相当であるとも認められないとして無効を主張している。