スーパーカーとオフロードカーも電気自動車時代…マセラティやジープなど韓国で相次ぎ新車発売
「電気自動車はトルクが高く反応時間が短くアクセルを踏むと同時にすぐ疾走します。もちろんバッテリーのため車体が内燃機関より重く、加減速で不利な側面はあるが、走行性と反応性がとても優れておりドライバーがスピードを楽しみやすいです」。 マセラティのチーフエンジニア、ダビデ・ダネシン氏は16日にソウル市内のホテルで開かれた新型スポーツ多目的車(SUV)「グレカーレ・フォルゴーレ」の韓国初公開行事で「電気スーパーカー」の長所をこのように説明した。 マセラティはこの日の行事で、既に韓国で発売した「グレカーレGT」「モデナ」「トロフェオ」などのエンジン車やマイルドハイブリッドモデルに加え、近く電動化モデル「フォルゴーレ」を発売すると明らかにした。現在韓国での販売に向けた認証過程を経ており、具体的な販売日程は決まっていない。 フォルゴーレはイタリア語で「稲妻」という意だ。マセラティ・コリアの木村隆之総括は「フォルゴーレは電気自動車であるだけにエンジン車と外形は同じだが完全に違う魂を持った。電気自動車でもマセラティ特有のパフォーマンスと性能をそのまま備えた」と強調した。 最近の電動化の流れに合わせてスーパーカーやオフロードカーにも電動化の風が吹いている。ステランティス・コリアは先月オフロードドライバーを狙った小型電気SUV「ジープ・アベンジャー」を、ドイツのポルシェは8月に電気セダン「タイカン」の新型モデルを公開した。現代(ヒョンデ)自動車は昨年9月に初めての高性能電気自動車「アイオニック5N」を発売した。 こうした変身はパフォーマンスの側面で電気自動車がエンジン車を圧倒しているので可能になった。電気自動車は電子信号を物理信号に変えなければならないエンジン車とは違い動力損失を最小化でき、エンジン車より速く加速・減速などの性能を発揮できる。実際に電気自動車の特性上、序盤の加速力が優れているので実際のレーシングテストでも電気自動車がエンジン車に比べ早く飛び出す姿を見ることができる。 それなら安全に問題はないだろうか。スピードを必要とするスーパーカーや道路事情の悪い山道を走るオフロードカーの場合、バッテリーへの衝撃が避けられないこともある。レーシング大会などではたびたび火災事故が発生したりもするが、電気自動車の場合、火災時はほとんど全焼するまで鎮火が容易ではない。ダネシン氏は「トラックで車を運行すれば当然バッテリーとモーターの温度が上がるほかないが、こうしたことまで考慮して強力な冷却システムを搭載した」と説明した。車両内部に専用消火器を配備し、火災を鎮圧する窒息消火システムも搭載する。