ポイントを奪い、ガッツポーズする石井（撮影・松永　柊斗）

　◇スポニチ主催　女子テニス東レ・パンパシフィック・オープン第2日　石井さやか2－0斎藤咲良（2024年10月22日　東京・有明テニスの森公園） 　シングルス1回戦が行われ、予選から勝ち上がった世界ランキング279位の石井さやか（19＝ユニバレオ）が世界158位の斎藤咲良（18＝富士薬品）に6―1、6―1で快勝し、ツアー本戦2度目の出場で初勝利を挙げた。2回戦は世界148位のゼイノプ・ソンメズ（22＝トルコ）と対戦する。世界271位の岡村恭香（29＝橋本総業）は世界80位のヘイリー・バプティスト（22＝米国）に7―6、6―3で勝ち、ツアー初白星を手にした。 　プロ2年目の石井が待望のツアー初白星を挙げた。11日の全日本選手権決勝でフルセットの末に競り勝った斎藤との再戦。第1セット第2ゲームから第2セット第3ゲームまで9ゲーム連取するなど圧倒し「自分がやったことは全日本の決勝と同じ。攻めていく。引かないことを意識した」と振り返った。 　プロ野球でDeNAコーチを務める父・琢朗氏（54）が生観戦。娘の少女時代は試合に頻繁に足を運んだが、14歳の時に観戦した試合で敗れ「見に行くと負けるからもう行かない」と決めた。娘も当時は仁王立ちして熱視線を送る父に威圧されており「怖いから見に来ないで」と呼応。今月の全日本選手権が父の前での約5年ぶりのプレーだった。 　DeNAは前夜に巨人とのCSファイナルステージ第6戦に勝利。日本シリーズが開幕する26日は、東レの準決勝開催日だ。石井は「一つでも勝てるように頑張りたい」と誓い「DeNAにも勝ってほしい」と願った。レギュラーシーズン3位から進撃を続けるDeNAと同様に下克上を目指す戦いが続く。　（木本　新也） 　◇石井　さやか（いしい・さやか）2005年（平17）8月31日生まれ、東京都出身の19歳。5歳でテニスを始め、9歳の時にウィンブルドン選手権を観戦してプロになる夢を抱いた。23年全豪オープンジュニアで4強入りし、同年3月にプロ転向。24年全日本選手権で優勝した。練習拠点は米フロリダ州IMG。右利き。1メートル75。 《岡村　雪辱の初白星》　29歳の岡村は予選決勝で敗れながら、欠場者が出たために本戦に進出。2日前の予選決勝で敗れたバプティストにリベンジを果たした。「1度負けた選手と同じ大会で対戦するのは長いキャリアでも初めて。不思議な感じがした」と苦笑いしつつ「予選での敗戦を生かすことができた」と相手の武器のフォアハンドを封じる配球で主導権を握った。プロ11年目でのツアー初勝利にも「もっとうれしいと思っていたが、目指しているのはツアー本戦での1勝ではない」と語った。