岸田首相の政治責任に言及したが「どの口が言う?」と…菅前首相“究極のブーメラン発言”をふりかえる
菅氏は否定したが…
中国新聞の「500万円を提供したのか」という直撃に菅氏は「そんなことあるわけがない」と否定。しかし同じメモに出ていた甘利氏は河井氏へ100万円を渡したと認め「他の候補にも一律に持って行っている。(原資は)党からのお金」(中国新聞2月14日)と話した。 ここで重要なのは「裏金」と中国新聞が書いていたことだ。使途公開の義務がなく、事実上の裏金と指摘される自民党の「政策活動費」なのか、もしくは「官房機密費」なのか? 菅氏は当時の官房長官である。岸田首相に裏金問題をすべてかぶせる前にまず自分の説明が先だろう。ちなみに河井氏から「すがっち」と呼ばれていたことはあったのか? という中国新聞の質問には「それは知らない」と答えていた。すがっち、なんか切なかった。 菅氏のブーメラン体質は他にもある。持論の「派閥解消」を盾に派閥の裏金問題を批判しているが、果たして菅氏が無派閥というのは本当なのか?
“無派閥”の実態は?
旧統一教会問題では教団と関係の濃い議員が注目されたが、その名前をみるとある特徴にも気づいた。岸信介以来から教団と濃い関係があるという安倍派の議員が多いのはわかるが、実は「菅氏の子分や近い人たち」も教団との関係が目立つのである。教団の取材を続けてきた鈴木エイト氏の著作『自民党の統一教会汚染』(小学館)では実質「菅グループ」の国会議員は50人を超えると紹介し、菅原一秀、河井克行、山本ともひろのように菅氏と近くて統一教会と関係の深い議員にも注目している。
つまり「無派閥」を名乗る菅氏だが、自分が目をかける人間には派閥のリーダーのように振舞っていた。それが旧統一教会問題であぶり出された。これこそ菅氏の言う「派閥」の弊害そのものではなかったか? 菅氏のブーメラン体質の究極は、野党時代(2009~2012年)のブログだ。次の記事をご覧いただきたい。 『「二人羽織」「お答えを差し控える」「思い出づくり内閣」 菅首相を襲う“ブーメラン発言”』(毎日新聞2020年12月20日)