ソフトバンク山川穂高が割り切った〝最低限〟の空振り三振 「ゲッツーは絶対駄目。近ちゃん頼む」 近藤健介への信頼感と小久保監督の理解
◆ソフトバンク3―2西武(18日、みずほペイペイドーム) ソフトバンクは近藤健介外野手(30)の6号逆転2ランで3連勝を飾った。柳田悠岐外野手(35)から始まった8回の攻撃。山川穂高内野手(32)は空振り三振に倒れたが、クリーンアップの力でもぎ取ったチームの勝利を喜んだ。 ■ピンクリボンデーに登場した可愛いダック【写真】 1点を追う8回。西武はセットアッパーに転向した松本がマウンドに上がった。先頭の柳田が初球を右前打。球場のボルテージが高まる中、本塁打、打点の2冠を走る山川は冷静にバッターボックスに向かった。 ここまで山川はリーグワーストの8併殺打。後ろに近藤が控える中、内野ゴロだけは避けなければならない。山川は「今年ゲッツーが多いという部分もありますが、チームが点を取る確率の話し。僕がホームランを打つのが一番いいけど、カウントが悪くなった時、どっちの方が確率がいいのか」と頭を整理した。 3ボールから見逃し、ファウルでフルカウントとなった。真っすぐをファウルの後、フォークで空振り三振に倒れた。「追い込まれてあのフォークを片手で拾いにいって、サードゴロでゲッツーとかになったら(チャンスが)終わっちゃう。甘いところにきたら捕まえますけど、いいところに来たら三振でも(仕方ない)という思いではいっていますね。最後いいところに投げられましたし、あそこは三振でしたけど、自分の中でもそれは割り切っています。あそこではゲッツーは絶対駄目だとは思っていましたね」。中途半端に当てにいくことは避け、バットは空を切った。 その割り切りができる背景には後ろに近藤が控えていることが大部分を占めている。「それはめちゃくちゃあります。今、一番打っていますし、今日はホームランで試合決まりましたけど、後ろに近ちゃん(近藤)がいるのは自分の中で大きい。近ちゃんにいい形でつないであげるのもそうだし、まず自分が決めにいって、追い込まれたり展開が悪くなったりした時は状況を見るのもすごく大事。これが後ろが近ちゃんじゃなかったら考え方も変わりますけどね。普段から思っている意識ではあります。まずはいいところで回ってきたら自分が決めるつもりで、状況が悪くなったときは『近ちゃん頼む』と思いながらやっているのはずっとあります」と話した。 小久保裕紀監督も「山川は次に近藤がいる中で、当てにいったゴロ(で併殺)というのを一番自分の中でケアしていると思う。それは開幕から見ていてもずっと。(自分が)三振でも(近藤で)もうワンチャンスという割り切りは、4番はそれでいいんでね」と理解を示した。山川は「監督、分かってくれているんですね。僕ももちろんそう思っています」と笑った。後ろを打つ近藤への信頼と指揮官の理解が4番山川を力強くサポートしている。(小畑大悟)
西日本新聞社