JR西日本・奈良ホテルを完全子会社化「地域との関係性を一層強化」
JR西日本は31日、奈良県奈良市の「奈良ホテル」の全株式を取得し、完全子会社化したと発表した。同社は「歴史的文化的価値の高いホテルの取得を通じ、奈良における当社と地域との関係性を一層強化しながら、地域価値、線区価値向上による交流人口の拡大を目指します」としている。 【拡大写真と動画】古都に幻想的な輝き 今年で20周年の「なら燈花会」
奈良ホテルは、奈良公園や春日大社の近くに位置し、皇族、国賓が宿泊する迎賓館に準ずる施設として知られている。同ホテルによると、本館の建築には、東京駅や日本銀行本店などを手掛けた建築家・辰野金吾氏が担当し、1909年に開業した。 その後、鉄道院・鉄道省が直営、米軍に接収され財団法人日本交通公社の運営した時代、都ホテル経営の時代をへて、1983年に当時の国鉄と都ホテル50%ずつの出資による株式会社奈良ホテルが設立された。1987年に国鉄からJRに移行した際は、土地・建物・株式はJR西日本に継承されている。 そして、きょう31日にJR西日本が近鉄グループホールディングス(HD)が保有する株式を取得したと発表した。 JR西日本は「今後は、引き続き近鉄グループHDと協力しながら、地域と一体となった誘客などに取り組むこととし、ホテルグランヴィアをはじめとする『JR西日本ホテルズ』のセールス力を最大限活用して、増加するインバウンド事業への対応や、客室改装などのブラッシュアップ施策を一層促進してまいります」としている。