武田玲奈、MEGUMI、山口雅俊監督が語る「おいハンサム!!」の魅力「年齢関係なくいろんな方に楽しんでいただけたら」
2022年1月より深夜ドラマとして放送され、大きな反響を呼んだドラマシリーズの映画「おいハンサム!!」が2024年6月21日(金)に公開される。 【写真を見る】「おいハンサム!!」武田玲奈、MEGUMI、山口雅俊 同作は吉田鋼太郎演じる父・伊藤源太郎と、個性豊かな三姉妹の長女・由香(木南晴夏)、次女・里香(佐久間由衣)、三女・美香(武田玲奈)、夫の源太郎を立てつつ一家を仕切る母・千鶴(MEGUMI)という伊藤家5人が織り成す、「恋」と「家族」と「ゴハン」をめぐる新感覚コメディ。 今回は三姉妹の三女・美香役の武田玲奈、母・千鶴役のMEGUMI、そしてドラマ「ランチの女王」や「闇金ウシジマくん」シリーズでも知られる山口雅俊監督の3人にインタビューを行い、映画のテーマや作品の魅力について語ってもらった。 ――シーズン2の放送終了から約1ヶ月で映画が公開されるということで、大きな反響を呼んでいますね。映画が決まった時の心境を教えてください MEGUMI「すごく人気のある番組で、いろんな方が見てるよと言ってくださった作品だったので、単純にとても嬉しかったです。ただ、映画って結構スケールが大きい作品が多いので大丈夫なのかなという心配は少しありました」 武田「私もファンの方もそうですし、お仕事した方からもすごく面白いと言ってくださる機会が多くて。なので、映画が決まった時は嬉しい気持ちと、『どうなるんだろう?』というワクワクした気持ちがありました」 ――お二人はすでに完成した映画をご覧になっているそうですが、いかがでしたか? MEGUMI「私はもう泣いてしまって...」 武田「私も泣きました」 MEGUMI「泣くことを強要していない映画なのに自然と涙を流せるのがすごく素敵ですよね。とてもほっこりして温かい気持ちになる作品で、すごい映画だなと思いました」 ――ラストシーンの吉田鋼太郎さん演じる伊藤源太郎の言葉がすごく印象に残りました MEGUMI「もうあれが全てと言いますか。本当に泣けますよね」 ――山口監督は今回の映画はどのようなテーマで制作されたのでしょうか? 山口「幸せとは何かということです。それはずっとシーズン1から頭の中にあって、映画もそれでずっと貫き通そうと。『非日常の制約のないような幸せよりも、なにげない日常の中にあるささやかな幸せのほうが、実はもっと得がたく貴重なものではないのか』というのがシリーズを通してのテーマになっています」 ――映画はシーズン2より前に脚本を書き上げたそうですね? 山口「映画の脚本は配給会社を決めなければいけないのでドラマの続編より早く書きました。で、映画の中で、3姉妹のうちの誰か伊藤家から離れていた方がいいなと思って。物理的に長期間離れている1人と、恋愛的・人生的に大きくうねる1人と、特に大きく変わらない1人を誰にしようか考えた末、最終的には三女の美香に大きな迷いや感情の起伏があって、家を離れ出会いや別れを体験するのが佐久間由衣さん演じる次女の里香で、相変わらずなのが長女の由香になりました。木南さんすみません(笑)」 ――シーズン2を経て、山口監督は武田さんとMEGUMIさんについてどのような印象を抱いていますか? 山口「実は僕は、武田玲奈さんともMEGUMIさんとも、ドラマ『やれたかも委員会』で出会い、続いて藤原竜也くん主演のドラマ『新しい王様』シリーズにお二人とも出演していただき、そしてそれが『おいハンサム‼』シリーズにつながっているのです。 MEGUMIさんはすごく難しい千鶴という役を的確に表現してくださっていますよね。源太郎がちょっとウザくて暑苦しいパパだからこそ、寄り添っている千鶴は何でもフラットに受け流すほうがいい。あの淡白だけど愛情にあふれたキャラクターを演じられるのはMEGUMIさんしかいない。いつも頼りにしています。 武田玲奈さんとは『やれたかも委員会』で初めてご一緒した時にその演技がふんわり不思議な感じで、意識した芝居なのか、そうじゃないのかわからなかったんです。それがずっと印象に残っていて、それからMEGUMIさんも参加してくださった『新しい王様』では藤原竜也くんの相手役、ヒロインを演じてもらって、『おいハンサム!!』でも当然のようにお願いしました。映画の終盤のプールサイドのシーンでの変化していく表情なんか素晴らしくて、武田玲奈さんにはこれから役のオファーが今まで以上に殺到するでしょう」 ――逆にMEGUMIさんと武田さんから見た山口監督の印象を教えてください MEGUMI「他の現場では全く体験しないようなことしかしない監督なので、修行僧として修行させていただいているようなところもあるし、全員に対してやったことないことをやってみろという感じで球を投げてくださるので、いつも学びが多い現場ですね。監督のこだわりが強いがゆえに、毎回ハプニングがたくさんあるんですけど、それをみんなで乗り越えていくと、どんどん結束力も強くなってくるんですよ。最初はどんな仕上がりになるか未知数なんですけど、出来上がったらいつも面白くて、唯一無二だなと思っています」 武田「MEGUMIさんがおっしゃったように本当に唯一無二の監督ですね。現場で色々演出とかもつけてくださるんですけど、監督の考えるアイデアが毎回めちゃくちゃ面白くて。台詞がないような道端を歩いてるシーンとかでも台詞をつけてくださったりするんですけど、監督の中でアドリブ集があるのかと思ってしまうくらい、いろんなアドリブを指示してくださるんですよ」 ――今のお話とも繋がってくると思うのですが、山口監督は現場で台詞を変えることも多いと聞いています。今回の映画でもありましたか? MEGUMI「実は全部、変わりまして...」 武田「台本見た時にこれ変わるかもしれないなって予感がするようになってきました(笑)」 MEGUMI「そうだね。台本がかなり分厚くて、6時間ぐらいの台本になっていたので、これは必ず変わるな、と。撮影が始まる前からいろんなシーンが淘汰されていくんだろうなというのは感じていたので、それに対して特に意見したりすることもなく、監督に委ねていました」 ――みなさん山口監督のやり方に慣れてきているんですね。最初の頃は驚かれたんじゃないでしょうか? MEGUMI「『やれたかも委員会』の時はびっくりしたかもしれないです。ただ、監督の出してくるものってすごく面白いので、もうぐうの音も出ないといいますか、やりますっていう気持ちになるんですよ。主演の鋼太郎さんもそうですけど、毎回主演の方がもっと大変な量をこなしているのを見ると、自分たちはここで驚いていてはいけないと思いますね」 ――映画から宮世琉弥さんや野村周平さんといった新キャストの方も出演されていますが、撮影現場の雰囲気はいかがでしたか? 武田「野村さんは『何をやってるんだ俺は』みたいなことをずっと言ってましたよね(笑)」 山口「野村周平くんはスケジュール的にギリギリのキャスティングになったので、撮影中も『おいハンサム‼』の映画化自体がドッキリじゃないかと言い続けていました」 MEGUMI「言ってましたね(笑)」 武田「それもそれでイサオにすごく合っているなと思いました」 MEGUMI「千鶴は基本的にお家で家族とミチルさんぐらいにしか会わないので、映画では京都に行ったり、新しい方と絡んだりすることが多くて新鮮でした。宮世さんは京都のシーンでご一緒させていただいたのですが、難しい京都なまりにも果敢にチャレンジされていて素敵な人だなと思いました」 ――最後にファンの皆さんにメッセージをお願いします MEGUMI「作品を撮っている時も、映画を見ている時もそうなんですけど、ちゃんとご飯を作って、ちゃんと日常のことを感じて生きていきたいなと思わされるんです。現代人は本当に大変で忙しいし、みんな色々あるけれども、そういうものを洗い流してくれるような、優しい笑える映画だと思いますので、年齢関係なくいろんな方に楽しんでいただけたら嬉しいです」 武田「見ていたら温かい気持ちにもなれるしお腹も空くし、見終わった後に大事な人を思い出すような不思議な気持ちになる映画です。その中で、自分の中の悩みを解決するヒントになるような言葉が台詞の中にあったり、自分がこれから生きてく中で心の中にとっておこうという言葉が見つかったりすると思うので、身構えず感じるままに見てほしいです」 山口「子供から大人まであらゆる年代の方に楽しんでもらえて、ニコニコしながら劇場を後にできるような映画になったと思います。まず映画から見てドラマに戻ってもらってもいいですし。ぜひ大画面でご覧ください」 取材・文=川崎龍也
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