「3カ月前に購入した電気自動車を売った」…駐車場から追い出されるEV=韓国
相次ぐ火災で「嫌われもの」に…焦る車主たち
相次ぐ電気自動車(EV)の火災で「EVフォビア(恐怖症)」現象が広がる中、厳しい視線に耐え切れずEVを売り払ったという事例まで登場した。実際、中古車市場でもEVの人気が衰える兆しも見えている。 ソウル江南区三成洞(カンナムグ・サムソンドン)に住むWさん(42)は8日、ハンギョレとの電話インタビューで、「住んでいるオフィステルの管理事務所から、5月末にEV駐車禁止の通知を受けた」とし、「先週、わずか3カ月前に購入したEV(テスラモデル3)を安値で売り払い、国産のガソリン車を買った」と語った。Wさんが駐車禁止の通知を受けたのは、最近仁川(インチョン)のマンション地下駐車場で起きたEVの大型火災事故以前だが、その理由が「火災の危険」であることは同じだった。管理事務所側は当初「機械式駐車場なので、車が重くて危険」という理由を挙げたが、Wさんが車両諸元表を見せながら車の重さが許容範囲内にある点を説明すると、ようやく「火事が起きる可能性があるため」という本当の理由を打ち明けたという。 消防設備を備えていない建物側の責任を車の持ち主に転嫁したことも、Wさんは納得がいかないという。オフィステルの駐車場に消防法上設置しなければならないスプリンクラーがなく、火災が発生しても保険処理が不可能だとし、EVを立ち入り禁止にしたためだ。結局、引越しを決心したWさんが臨時駐車を許可してほしいと了解を求めると、「駐車中に火災が発生した場合は責任を取らなければならない」と言われたという。 Wさんは「環境問題でEVの購入を奨励し補助金も支給しているのに、魔女狩りが続いている」とし、「EVの持ち主は数千万ウォンのお金を払ったのに、周りの顔色を伺いながら車に乗らなければならない状況」だと語った。 会員数100万人を超えるEVユーザーたちのインターネットカフェにも「EVが嫌われものになったようだ」、「EVフォビアで中古車の価格が下がるのではないかと心配だ」という内容の投稿が相次いでいる。一方的な駐車禁止などに法的措置を準備する人々も増えている。ソウル江南区で中古車販売会社を営むある代表は「最近、EVを売りたいという注文が殺到しているのに対し、消費者は購入を躊躇(ちゅうちょ)していることがはっきりと感じられる」と語った。 (取材支援: チョ・スンウ教育研修生) シム・ウサム記者、チョ・スンウ教育研修生(お問い合わせ japan@hani.co.kr )