引っ越し、入園、入学を境に子どもの様子が変? 「SOSサイン」への親の対応法
4月から新しい環境でスタートする家庭は多いでしょう。大人にとっては何でもない変化も、子どもたちにとっては大変化です。そのような中では、子どもたちのどのような点に注意すればいいのでしょうか。 ※本稿は、『のびのび子育て』2021年3月号より転載したものです。
焦らず、ゆっくり見守ることが大切
入園、入学は、子どもにとっては、新しい未知の世界への旅立ちです。新しい環境に対して、ドキドキ・ワクワクといった期待や不安に胸躍らせ、時には、小学生になったのだから、進級して1つ成長したのだから、こんなこともあんなこともできるようになりたいなと、気負いやプレッシャーを感じることもあるでしょう。 それと同時に、これまでのお友だち、なじみのある園や先生との別れもあり、寂しさも心細さも感じているかもしれません。 引っ越しも同様です。なじみある家や友だちと別れ、新しい家、新しい園や学校での生活をスタートするときには多かれ少なかれ、これまでの自分の居場所、拠り所を失い、足元が危うい感覚をもたらします。それは非常に不安定で心もとない感覚でしょう。 そうした不安感を抱きながら、新しい環境に慣れ、自分の居場所を見つけ、安全と安心感を確立するためには、時間が必要です。そのことを大人は、自分の経験から知っているはずなのですが、つい忘れがちにもなってしまいます。 当然、親としては、子どもが早く環境に慣れ、毎日を楽しく過ごせるようになってほしいという願いがあるでしょう。親も新しい環境に慣れるために、不安を抱きつつ大変な努力をしています。 子どもにも早く新しい環境になじんでほしいとつい焦ってしまい、他のお友だちと自分の子どもを比べてしまうかもしれません。 幼いときは、特に子どもの発達や成長のペースには個人差があります。ちょっと怖がりの子もいれば、怖いもの知らずの子どももいます。子どもは、自分のペースで新しい世界に一歩ずつ歩み出す姿を見守る親のまなざしを必要としています。