高校生が“一日先生”体験 青森県教委、小学校教員確保へ初の試み
青森県教委は28日、十和田市立北園小で、高校生を対象にした教員業務の体験会を初めて実施した。県南地方の高校生11人が“一日先生”を務め、児童らと触れ合った。県教委は来年度以降も開催する予定。なり手が減っている、小学校教員の仕事の魅力を若い世代に知ってもらうことで、将来の人材確保につなげたい考えだ。 体験会は午前10時から午後4時半までのスケジュールで実施。11人が1、4、6年の教室に分かれて授業に参加したり、一緒に給食を食べたりした。 昼休み後には学校内も見学。保健室では「休みに来た子が、学校で一日過ごす手助けができたときは、『やった』と思える」とやりがいを語る養護教諭の話に熱心に耳を傾けた。 クラスを担任する若手教員へのインタビュー時間もあり、授業中に気をつけていることや残業時間などについて質問した。 教員の仕事に興味があるという県立八戸高2年の木津谷ひよりさんは、児童の絵日記のチェックを担当。「コメントを考えるのが楽しかった。子どもたちの純粋な気持ちが書かれていた」と笑顔を浮かべた。 県立三本木高3年の三沢優葵乃さんは「授業見学や休み時間を通して児童と関われた。教員になりたいという気持ちが強まった」と振り返った。 一日体験は29日にも弘前市で開く。想定以上の260人の応募があり、今後も継続して行う予定だ。県教委教職員課の三上崇裕統括主幹は「何がきっかけで興味を持ってもらえるか分からない。教員を目指す高校生が増えてくれれば」と期待を込めた。
デーリー東北新聞社