（ブルームバーグ）： 週明けの金スポット価格は米国株の急落と中東情勢緊迫化の影響をトレーダーが見極めようとする中、乱高下した。一時大幅に下げた後、反発して下げ幅の大半を消した。

先週、一時過去最高値に迫った金スポット価格はアジア時間５日午前、１％余り下落した後に反発して１オンス＝2435ドル弱を付けた。米景気後退が深刻化するとの不安が強まり、株価を圧迫した。トレーダーは米金融当局の利下げによる対応が遅れるのではないかと懸念している。

一方、中東情勢を巡っては地域全体を巻き込むイスラエルとイランの直接紛争に発展するのではないかとの不安が高まっている。イスラエルは、パレスチナのイスラム組織ハマスの最高指導者とレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラの司令官殺害に関連して、イランとヒズボラから報復攻撃を受ける可能性に備えている。

金は今年、世界の中央銀行やアジア消費者による購入や、このところの米金融当局の利下げ観測に支えられ、パフォーマンスが最も高いコモディティーの一つとなっている。通常、金融ないし地政学的緊張が高まる局面では安全資産としての需要が高まるため金は上昇するが、リスク資産の売却が特に急激だったり顕著だったりする場合には下落する可能性がある。

シンガポール時間５日午前10時10分（日本時間同11時10分）時点でスポット金価格はは１オンス＝2434.61ドルと、0.4%安で推移している。金は先週、２％余り上昇して2477ドルを突破。過去最高値まで10ドル弱に迫った。

原題：Gold Whipsawed at the Week’s Open as Share Slide Jolts Investors（抜粋）

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