4ドアハコスカGT-R【1】ワークスパーツフェチ・オーナーのPGC10|特別なGT-Rの称号
市販車をベースに、数々のレーシングパーツで武装し、戦っていた1960年代後半~70年代前半の日産ワークス。 当時のGT-Rオーナーたちは、本物のレーシングパーツを手に入れることやワークス仕様という響きにあこがれていた! そんなGT-R乗りの夢を、神様の手にゆだねることで、理想を超えたPGC10を手に入れたオーナーがいた。 【画像15枚】元色はシルバーだが、1987年に鈴鹿塗料に純正の赤指定で全塗装されたボディカラーは少し明るく見える。色ツヤもあり美しい状態 【1969年式 日産 スカイライン 2000 GT-R Vol.1】 「やはり、手を加えるなら頂点を目指したいですね。もちろん、現在の技術で製造された部品の方が精度も材質もいいのは分かっていますが、純正のレース用部品があるなら試してみたいという思いは今も強いです。当時モノでフルパワーを出す、高回転まで回るように仕立てることで、日産ワークスカーの息吹が感じられるところが魅力です」 自らワークスパーツフェチだと公言するオーナー。 「GT‐Rオーナーズクラブ中部」の2代目会長として、イベントを企画するだけでなく、他クラブとの交流も行うなど、仲間とともにGT‐Rライフを満喫している。 愛車は1969年式のPGC10。79年に購入し、40年間共に走り続けた、まさに生涯の相棒といえる存在だ。見た目はノーマル然としているが、エンジンだけでなく、細部にわたってレース用部品がふんだんに使用されている。 「ワークス用部品にハマるきっかけとなったのは、購入後、まもなく手に入れたルーカスの機械式インジェクションです。最初はスライドバルブだけでしたが、『これがレース用部品の最高峰か』とえらく感動しまして。それからですね、収集癖が始まったのは。アンテナを張り巡らせて、1つ、また1つと手に入れて、増やしていきました」 主要諸元 SPECIFICATIONS 1969年式 日産 スカイライン 2000 GT-R(PGC10) ■ボディ:FRPボンネット&トランク、CIBIE製ヘッドライト(ロービーム)、Z432R用フィラーキャップキー、ワインレッドオールペイント(元色シルバー) ■エンジン:直列6気筒DOHC S20型、レース用Lカム(300度、IN/EX10.0)、ワークス用バルブ(バルブシート無鉛加工)/2本リング鍛造ピストン/チタンコンロッド/ドライサンプシステム/大容量オイルパン/ルーカスメカニカルインジェクション用機械式タコメーターユニット、クランクバランス取り ■️吸排気系:ウエーバー45DCOE9、70mmファンネル、アルティア製ステンレスマフラー(メインφ60mm、テールφ45mm) ■点火系:ワークスCDイグナイター(ホワイト)、ワークス用ディストリビューター、レース仕様プラグホール&プラグキャップ、アリアント製ドライバッテリー ■️冷却系:NP35製ワークス仕様の3層ラジエーター ■駆動系:レース用ノンアスベストクラッチ、レース用オプション1ミッション、R192アルフィンデフカバー&レース用4ピニオンLSD(4.875ファイナル)■燃料系:ニスモ製燃料ポンプ×2機 ■サスペンション:ワークス鈴鹿仕様(専用ラバー付き)、レース用スタビライザー(F)φ24mm (R)φ12.7mm ■ブレーキ:(F)MK63 4ポットキャリパー+φ280mmローター (R)アルフィンドラム ■その他:レース用ステアリングギアボックス(レシオ15.2) ■タイヤ:ヨコハマ アドバン ネオバAD07 (F)195/55R15 (R)205/55R15■ホイール:RSワタナベ8スポーク(F)15×6.5J (R)15×8J ■インテリア: レース用ワイドミラー、RSマッハ製ステアリング、ワークス用機械式タコメーター(プリンススポーツコーナー)、KS製サブメーター(水温、油圧)、ダッツンコンペシート(運転席)、Z432R用バケットシート(助手席)、ワークス用TAKATA4点式ハーネス(運転席)、シュロス製4点式ハーネス(助手席) 初出:ノスタルジックヒーロー vol.197 2020年2月号 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
Nosweb 編集部