ダイソーがブラジルで快進撃 その秘訣は…「計算ドリル」!? 【WBS】
ブラジル・リオデジャネイロで開かれたG20首脳会議(サミット)。いま、そのブラジルで日本企業が快進撃を続けています。 G20サミットが開かれたリオデジャネイロ市内にあるショッピングモール。その一角にあるのが100円ショップの日本最大手「ダイソー」です。店内にはキッチン用品や便利グッズのほか、キャラクター関連やクリスマス向けの商品まで。日本で扱われている商品とほぼ同じものが並んでいます。 客も「手頃な値段でかわいくて、きれいなものが多いと思う」「ほかの店では見られないくらい種類が豊富」と話します。輸送費や税金が上乗せされるため、価格は日本の約3倍ですが、売れ行きは好調です。 さらにブラジルでは、ある意外なものが売れ筋商品になっています。弁当箱です。「ダイソーブラジル」の大野恵介CEOによれば「以前はブラジル人には弁当を持っていく習慣がなかった」といいますが、現在では弁当箱を使う文化が定着したといいます。 「ブラジルは年々インフレで非常に値段が上がってきている。気軽に買える場所があまりなくなってきている。それを客が理解して、たくさん買いに来ていただけるのではないか」(「ダイソーブラジル」の大野恵介CEO) ダイソーは2012年、サンパウロに1号店を出して以来、ブラジル国内に約170店舗を構えるまで成長しています。その鍵となっているのが、現地のスタッフに行っている、きめ細やかな社員教育だといいます。 ミーティング後、現地スタッフが黙々と取り組み始めたのは、計算ドリルです。 「計算ドリルを毎日やるようにしている。算数の能力を最低限つけないと彼らの将来もない」(大野CEO) ダイソーブラジルでは教育を十分に受けていない貧困層出身の従業員もいる中、基礎的なスキルの習得を促し、職場での活躍にもつなげてもらう狙いがあります。 社員からも「自分自身の能力も上がっていると感じる。計算機や紙がなくても早く計算できるようになった」「キャリアプランが全く違う。ダイソーなら成長できる機会も多い」と評判は上々です。 ダイソーでは今後も地元に根付くことで出店を加速させたいといいます。 「まずブラジル全土に広げることにより、どこに行ってもダイソーに行けば楽しく、安く、面白いものが買えるという存在になりたい」(大野CEO) ※ワールドビジネスサテライト