石破自民が無惨なボロ負け、「誰も気づかなかった本当の原因」とは…麻生太郎の陰謀でも、高市早苗のクーデターでもなかった
不自然すぎる「脇の甘さ」
というのも、「非公認になった裏金議員が支部の代表を務めている状態で、支部が交付金を満額受け取ったら、政敵やマスコミからよからぬ言いがかりをつけられるリスクがある」ということに、党内のだれも気づかなかったというのは常識的に考えてありえないからだ。 その辺の有象無象が集まった泡沫政党ならともかく、百戦錬磨の自民党が、このようなリスクをだれひとりとして事前に全く想定していなかったというのは現実的に想像しにくい。いくらなんでも脇が甘すぎる。 私は最初「石破首相を後ろから撃っている(≒高市総理爆誕を諦めきれない)人が赤旗にリークしたのか?」と陰謀説じみたことを考えたりもしたのだが、かりにそうだとしたら、自民党が壊滅状態になってしまうような状況をあえて引き起こしてから高市総理にバトンタッチするのは好ましくない。もっと穏当な形で「石破おろし」を画策するのが妥当だろう。自分たちの議席を失うリスクを猛烈に広げてまで石破失脚をねらうのは、合理的な行動ではない。よって「リーク説」はそこまで妥当ではない。 本件を含め、選挙戦始まって以降の自民党のゴタゴタについて「石破失脚をねらった陰謀・クーデター」の類いではないとしたら――と改めてじっくり考えてみたのだが、真相はもっと卑近というか、いうなればごくごく“下世話”な話だったのではないかと思い至った。 端的に結論をいうと、自民党やその関係者の持つ「石破首相のために!!!」という“熱量”が、現場で動く人びとそれぞれの中で、ちょっとずつ小さかったのではないか――ということだ。
陰謀でもクーデターでもなく
もう少しわかりやすくいえば、「石破さんのために、徹底的に細かい部分までチェックして、一分の隙も出ないようにバックアップしなきゃ!!」と奮起する気持ちがみんな微妙に少なく、だれもがちょっとずつ手を抜いていた。それが積もり積もった結果として、思いもよらない局面で極大の地雷が爆発してしまった――といった流れが実情に近いのではないだろうか。 麻生派の陰謀でもなければ、高市氏らのクーデターとかでもなく、だれもがちょっとずつ、(ほとんど無意識的に)ごく小さくサボってしまい、他のリーダーならけっして見落とさなかったであろう部分も「なあなあ」になってしまった。そういう“ゆるみ”から生まれた隙を赤旗が見逃さなかったのだ。 これは、企業勤めの人には馴染みのある光景もしれない。主流派の出世街道から外され、同僚や部下からも人望が薄く、普段なにをしているのかもよくわからない、会議に来たらなにか言っているようで何も言っていない空虚な発言ばかりをくり返して辟易され、しかし終身雇用に守られているので首だけは切られないで済んでいる、「お飾り」感のある名ばかり管理職。そんな人物が治める部署に、上役の気まぐれで急に大きめの案件が降ってきたときに起こるアレと同じだ。
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