お供えのチーズ饅頭が軽くなった話や心霊スポットも ご当地怪談集“宮崎怪談” 地元出身の作家「宮崎県へのリスペクト」
(潮嶽神社 佐師正朗宮司) 「家に帰ったところ、家を揺さぶるし、とても休めないということで、お祓いに行ってようやくおさまった」 そのお祓いをしたのが、佐師正朗宮司の祖父なのだそうです。 この逸話は都城市の怪談作家、久田樹生さんの最新作、「宮崎怪談」に掲載。 神社に伝わる伝説が本に載ったことについて佐師宮司は… (潮嶽神社 佐師正朗宮司) 「ありがたいことだと思います。伝承として大切に受けついでいかないといけないと思っています。また、これを本にしていただいて、また後世に受け継いでほしい」 ■住民はその土地に誇りを持っている。誇りを傷つけるものは書けない (作家 久田樹生さん) 「映画とかドラマのノベライズと、地域ものの怪奇談と児童書もやっている」 今年、作家歴19年目を迎えた久田樹生さん。 もともと会社員だった久田さんですが、子どものころから、怖い話や不思議な話が好きだったことから2006年に作家デビューを果たし、これまで日本各地に伝わる怪談の本を執筆してきました。 ご当地怪談本の出版は今回で3作品目。 久田さんは地域にまつわる怪談をまとめる際は直接、現地に出向き、自分で証言者に取材することをモットーにしています。 (作家 久田樹生さん) 「地域へのリスペクトがないと、まず、こういうのは書けない。地域というのは、そこに土地があって、住んでいる方は絶対その土地に関して誇りを持っている。その誇りを傷つけるようなものはちょっと書けない」 ■ちょっと不思議なほっこりする話も そんな久田さんが手掛けた「怪談本」には、怖い話だけではなく、ちょっと不思議なほっこりする話も収められています。 「おばあちゃんにお供えしていたチーズ饅頭を下げると、やけに軽くなっていることがある。口にしても食感の違いはない。が、味が薄い。コクがない。甘味が抜けている。だから首をひねるほかない」(「宮崎怪談」 チーズまんじゅう食べ比べ 小林市 より) これは、小林市に住む女性から聞いたチーズ饅頭が大好きなおばあちゃんにまつわる体験談。 お供え物の饅頭が軽くなった日は、懸賞が当たったり、父親が昇進したりと、家族にとってうれしい話題があったそうです。