最強牝馬に何度も敗れ「もう終わった」 2歳女王の復活信じ…「◎」を打ち続けた穴党の“痛恨の予想”
2019年に古馬G1初制覇を果たしたラッキーライラック
秋競馬のG1シリーズは今週から7週連続開催となり、10日には牝馬限定のエリザベス女王杯が京都競馬場の芝2200メートルを舞台に行われる。勢いのある3歳馬と実績と経験を積んだ4歳以上の古馬勢が激突する注目の一戦。競馬ライターの井内利彰氏が調教を通じてさまざまな視点から過去のG1レースを振り返る企画「調教捜査官の回顧録」で取り上げるのは、3歳時に“歴代最強牝馬”と名高いライバルの後塵を拝しながら、古馬になってから復活を果たした2歳女王について。気が付いた時は、時すでに遅し……。5年前の“痛恨”の予想で、自身の未熟さを感じたという。 【動画】「この時は涙が止まらなかった」 インを切り裂いた2歳女王ラッキーライラック、完全復活のレース動画 ◇ ◇ ◇ 今年はJRAが70周年特別企画として、G1歴代優勝馬から1頭を選ぶ「メモリアルヒーローファン投票」を実施。選出された馬はG1レースの直前の特別レースで馬名を冠していますが、今週のエリザベス女王杯デーは「JRAウルトラプレミアム ラッキーライラックカップ」が実施されます。 ラッキーライラックは松永幹夫厩舎で管理されましたが、半姉のラルクも同厩舎。ラルクがディープインパクト産駒に対して、ラッキーライラックはオルフェーヴル産駒だったこともあり、栗東へ入厩する前から松永幹夫調教師に「タイプは違いますね」と聞いていました。実際に自分の眼でその姿を確認してもラルクとはシルエットが違いましたし、少し肢の長い馬だなあという印象。新潟芝1600メートルでデビューすると聞いた時は距離がどうかなあと思いましたが、牝馬なら桜花賞、というのが第一目標になりますから、当然と言えば当然ですね。 デビュー当日はウインズ新白河でイベントの仕事をしていましたが「今日、新潟マイルの新馬戦を勝ったラッキーライラックは後にG1を勝つと思うので、覚えておいてくださいね」と高らかに宣言したんですよね。 ラッキーライラックを担当していたのは、丸内永舟調教助手。松永厩舎の前に在籍した山本正司厩舎では天皇賞・秋を制したヘヴンリーロマンスを担当していましたが、その時のジョッキーが松永調教師。私は「競馬には縁が大切」とスピリチュアルなところがあるので「調教助手と騎手」でG1を制したコンビが「調教助手と調教師」になってもG1を制するんじゃないかと思ったわけです。