進化するゴルフ周辺機器事情~キヤノン見参のインパクト~
6月2日に終了した女子ゴルフの世界最高峰の大会、全米女子オープン選手権で笹生優花が2度目の制覇という快挙を達成した。渋野日向子も2位と復活を印象づけ、ゴルフへの注目度が一気に高まった。新型コロナウイルス禍で見直されたのを機に、若者をはじめ新たに始める層が顕在化したこの競技。プロはもちろん、一般ゴルファーにとってもスコア向上はモチベーションの一つで、それを支える周辺機器の市場も活況だ。このほど、有名企業による新製品の発売予定が発表されたこともあり、愛好家にとって歓迎の流れができている。
ゴルファーの特性にマッチ
3月にパシフィコ横浜で開催された国内最大級の展示会「ジャパンゴルフフェア2024」。関係者の間で話題になったのがキヤノンの初見参だった。デジタルカメラやプリンターなどを手掛ける同社は、言わずと知れた日本を代表する大手光学機器メーカー。今回お披露目されたレーザー距離計は「PowerShot GOLF(パワーショットゴルフ)」。当時は発売未定とされて「参考出展」という形を取ったが、ブースにはひっきりなしに人々が訪れて賑わっていた。 大きな特長は二つ。一つ目がデジタルズーム機能で、6倍、12倍と2段階の倍率が可能。遠くにあるグリーンでも的確に捕捉し、正確な測定に寄与する。二つ目がさらに画期的で、動画と静止画ともに撮影できる。ゴルファーの特性として、自らのスコアやプレー内容を記録に残す人が少なくない。最近ではスマホなどでアプリにデータを入力する場面が散見される。ラウンドを後で振り返ることは、ゴルフの醍醐味の一つ。パワーショットゴルフでは測定距離とともに撮影でき、プレー後の楽しみに大いに貢献できそうだ。 これらの機能を手のひらサイズでポケットにも入る大きさに詰め込めるのは、カメラの分野などで蓄積してきたキヤノンのテクノロジーの粋といえる。同社には望遠鏡型のデジタルカメラ「PowerShot ZOOM(パワーショットズーム)」という製品があり、この技術も生かされているという。キヤノンマーケティングジャパン・カメラマーケティング部の井沼満里奈さんは「測定した距離情報を記録でき、振り返りに使用できる点は大きなアピールポイントです」とPRした。