吉高由里子、松下洸平と3年ぶり共演 「次はどんな役で一緒になるかなと話したりも」
周明と20年ぶりに再会したころ、まひろは50代。「源氏物語」を書き終え、長年惹かれ合っていた道長に別れを告げ、生きる意味を見失っていた。一方、周明はかつてまひろを裏切ったことの罪悪感を抱えており、傷心のまひろを「まだ命はあるんだ。これから違う生き方だってできる」と励ます。二人の間に再び親密な空気が生まれていくが、まひろが亡き友・さわ(野村麻純)がかつて暮らした松浦(まつら)に旅立とうとした際、異国の勢力が九州に襲来し、周明はまひろを助けて命を落としてしまう。
吉高は、周明との再会、彼の死がまひろにもたらした影響について「周明は、まひろが自分が生きる意味、ここにいる意味を考えることに大きく影響を与えた存在」と語る。
「まひろにとって、お母さん以外であんなに近距離で人が亡くなるなんて初めてだと思いますし、ようやく周明と歩み寄り、彼が心のよりどころになり、20年前とは違う関係性が生まれつつある中での出来事だったので、本当に衝撃的だったと思いますし、抜け殻になったと思います。まひろが過去に“生きてることは哀しいことばかり”と言っていましたが、彼の死によって、それでも生きる意味を考えさせられるというか、自分がここにいる意味といったことに大きく影響を与えた存在じゃないかなと。まひろが大宰府に行かなければ周明も死ななかったかもしれないのに……とも思いましたけど、撮影はとても楽しかったです。今までに見たことのない風景でしたので。戦う武者たち、彼らの恰好も。知らない街に来て、やっと何者でもない自分でいられる場所にワクワクしていたまひろが、どん底に叩き落とされるという数日間の撮影は、あっという間でした」
周明は亡くなる前、まひろに「松浦に行って思いを果たしたら必ず大宰府に戻ってきてくれ。その時に話したいことがある」と告げていた。彼は一体何を話そうとしていたのか? 吉高は「まひろはきっと、ちょっと期待していた部分もあるんじゃないかなと思います。一緒にどこか遠くへ行こうみたいな。あの時のまひろだったら、本当についていったかもしれません。内裏で起きていたこと、感じていたこととかを全部捨て去りたい気持ちもあったと思うので、どこか知らない国に、遠くに行けるかもっていう気持ちもあったとは思うんですけど……」と想像を巡らせる。