イケメンボクサーの松本亮が病と怪我を乗り越え世界初挑戦決定!
ボクシングの元OPBF東洋太平洋スーパーフライ級王者で、現WBA世界スーパーバンタム級13位の松本亮(23、大橋)が来年2月28日に後楽園ホールで、同級王者のダニエル・ローマン(27、米国)に挑戦することが19日、発表された。松本は、大橋秀行会長が中学時代から直接指導していた超逸材で、横浜高時代に4冠を獲得。WBO世界スーパーフライ級王者の井上尚弥と同級生の期待のホープだったが、副甲状腺機能亢進症を発症して内定していた世界戦が白紙に戻り、今回も年末の世界挑戦が一度は決まったが怪我で流れるなど、度重なる不運を乗り越えて、やっと世界戦に辿りついた。激戦必至だが、そのパンチ力は隕石級。遅れてきたイケメンボクサーが一気にスターダムに上り詰めるのかもしれない。
イケメンゆえの武勇伝には事欠かない。小学校の頃から芸能事務所からスカウトを受けて「RYO」の名で雑誌にモデルとして登用され、中学時代に、付き合った彼女は50人。大橋会長との食事会に向かう途中で逆ナンされて女性同伴で現れたことも。10代で愛車はレクサス。 大橋会長も、「ジムで女性人気ナンバーワン。ルックスがいいので世界王者になれば女性層へもボクシングをアピールできる」と期待を寄せる。 実力の方も折り紙つきだ。 小学校時代に井上尚弥と、同時期に大橋ジムに通うようになったが、当時は、井上尚弥か、松本亮かと呼ばれた逸材。中学でU-15で優勝、横浜高では高校4冠を取った。 「パンチ力はうちのジムでは井上尚弥や清水聡と比べても遜色ない」と大橋会長。 練習でミットを受ける松本好二トレーナーも「松本のパンチは隕石が衝突するほどの重さがある」と表現した。隕石パンチを武器に、横浜高在学中にプロデビューしてから7連続KO勝利を含む17連勝。世界挑戦経験のある久高寛之や、元世界王者のデンカオセーン・カオヴィチットを2回KOで沈め、世界挑戦への資格であるOPBFのベルトを獲得するなど、順調に世界への階段を上ってきた。 だが、昨年5月の世界前哨戦でつまずいた。吐き気に襲われ、全身に力が入らないという最悪の体調で臨みビクトル・ウリエル・ロペス(メキシコ)に、まさかのTKO負け。当時のWBO世界バンタム級王者のマーロン・タパレスへの世界挑戦が内定していたが、白紙に戻った。 その後、精密検査を受けると、副甲状腺機能亢進症を発症していたことが判明。3度の入退院を繰り返して9月1日に手術。ライバルであり友人でもある井上尚弥の防衛戦は病院のベッドで見ていたという。 「ボクシングをやめるところまでは考えなかったが、悔しくて、いろんな思いが頭をよぎった」 半年後の再起戦では、敗れたロペスと再戦。6回TKOでリベンジを果たしたが、手術によるホルモンの影響からか、身長が3.5センチも伸び、体重も3キロ増えたため、もうバンタムでの世界挑戦は無理になった。階級をひとつ上げて、さらに前哨戦を3試合はさみ、この年末に井上尚弥とのダブル世界戦として、9月に久保隼(27、真正)にTKO勝ちしたローマンとの試合が内定していていたが、またアクシデント。 今度は、練習中に怪我をして、この試合も流れた。 不運につぐ不運。 だが、大橋会長は松本亮の世界戦実現に尽力した。 「中学時代から手取り足取り教えたからね。僕が最後に手ほどきしたボクサー。しかも、横浜高の後輩。今はボクシング部が廃部になっているが、最後の横浜高出身のボクサーとして夢を成し遂げて欲しいからね。テレビの生中継もつかなくなったけど、これがボクシングジムを持つ人間がやらねばならない使命だと思う」