J１昇格プレーオフ決勝戦の岡山戦後、目に涙を浮かべ仙台サポーターにあいさつした中島

　Ｊ１・Ｃ大阪から３季にわたってＪ２ベガルタ仙台に期限付き移籍していたＦＷ中島元彦（２５）がＣ大阪への復帰を決断したことが２０日までに、分かった。近日中に両クラブから発表される見通し。Ｊ１昇格プレーオフ決勝（７日）の岡山戦（０●２）直後には「（仙台を）昇格させて（チームに）残ろうという気持ちもあった」と仙台への愛もあったが、アカデミーから育ってきた地元クラブへの復帰を決断した。 　２２年の４月に育成型期限付き移籍で加入し、合流直後から先発として３３試合４得点７アシスト。期限付きを延長した２３年には仙台の象徴となる背番号「７」を背負い、３２試合６得点５アシスト。今季はリーグ戦全３８試合に出場し、チームトップの１３得点を決めた。サポーターが選ぶＭＶＰにも２２、２４年と選ばれ、期限付き移籍の選手としては珍しい個人チャントも歌われるなど愛された。 　練習では給水時間を真っ先に切り上げ常にボールを触り、仲間たちと笑顔でボールを蹴り続けるなど心からサッカーを楽しんでいた。仙台では「プライベートも充実して、温かい気持ちにさせられた」と最後まで来季の所属先に頭を悩ませたが、Ｊ１でのプレーを望んだ。 　５年ぶりのＪ１復帰を目指す仙台としても離脱は大打撃だが、その穴を埋めるための補強や、攻撃のプランの見通しを立てるなど、すでに動いている。今季目前で逃したＪ１昇格を来季絶対に達成し、３年間全力を尽くしてくれたＦＷと、Ｊ１の舞台で再会を果たす。（山崎　賢人） 　◆中島　元彦（なかじま・もとひこ）１９９９年４月１８日、大阪市生まれ。２５歳。２００８年のＣ大阪Ｕ―１２への加入を機に西Ｕ―１５、Ｕ―１８とアカデミーで育つ。高校２年時の１６年５月に２種登録されると、同月１５日にＪ３のＣ大阪Ｕ―２３としてＪ初出場。翌１７年７月２３日の鹿児島戦で初ゴールを記録した。１８年にトップチームへ昇格。２０年には当時Ｊ２の新潟へ育成型期限付き移籍。２１年にＣ大阪復帰後、２２年４月にＪ２仙台へ育成型期限付き移籍で加入した。Ｊ１通算１２試合２得点。Ｊ２通算１３８試合２８得点。Ｊ３通算７８試合１９得点。１７１センチ、７１キロ。利き足は両足。