オタク業界で相次ぐ「Visa」クレジットカードの使用規制……はたしてSteamは大丈夫?
この裁判は現在も係争中であり、裁判結果は出ていないのですが、この出来事がクレジットカードのアダルト業界への規制を強めるきっかけになったといいます。但しこれはアメリカ国内の話であり、日本でのマンガや同人誌などのコンテンツはそもそも対象外であるとラーナー氏は伝えています。
参議院議員の山田太郎氏も8月に米Visa本社を訪問して「合法であるコンテンツ等に対する価値判断は行っていない」「規約についても、本社は基準を決めているのみで、判断を行っていない(判断を行うのは現場)」という発言を引き出しており、Visaの日本法人にも同様の確認を取ったとしています。
ではなぜ、日本のオタクコンテンツでクレジットカード規制が相次ぐのでしょうか。山田太郎氏は「クレジットカードブランドの下には、イシュアー(クレジットカード発行会社)とアクワイアラー(加盟店契約会社)があり、さらにアクワイアラーと加盟店の間には、各クレジットカードブランドなどと一括契約できる決済代行会社が挟まっている」というカード業界の複雑な現状を紹介し、クレジットカードの取り扱い停止に関する相談の多くが「決済代行会社から対応を求められたもの」と明かしているものの、どこの誰が主体となって規制をしているのか分かりにくいし、現状では情報収集が進んでいないとしています。
何はともあれ、近年のオタクコンテンツのクレジットカード規制に積極的なのはVisa本社ではなく、国内のどこかの決済代行会社の可能性が高いことが示唆されています。
それではSteamはどうか?むしろ怖いのは海外からの突き上げの可能性
こうして国内のクレジットカード規制の流れについて見てきたわけですが、それでは性的コンテンツも一部取り扱うSteamが国内からのクレジットカードの規制に巻き込まれる可能性はあるのでしょうか?
結論から言うと、筆者が考える限り国内クレジットカード会社によるSteamの規制の可能性は限りなく低いと思われます。
これは2024年11月のSteamの日本語ユーザー比率が2.91%で、かつSteamの最大同時接続数が約3,900万人であることを考えると、日本語Steamユーザー数は多くても120万人程度であること、そしてSteamには性的コンテンツを含むゲームがあることは確かですが、ほぼ大半が一般ゲームであり、ごく少数の性的コンテンツのためにSteam全体へのクレジットカードの使用を禁止することは考えにくい(先述の「マンガ図書館Z」と異なり、マネタイズの主体が少数の性的コンテンツというわけでもない)のです。そもそもSteamを運営するValveは海外の会社で、Steamも中国圏を除き全世界でひとつのサービスとして運営されていますので、クレジットカードについては国内のどこかの決済代行会社を仲介に用いていない可能性が高いです。
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