スナク氏＝ロイター

　【ロンドン＝蒔田一彦】英国の総選挙（７月４日投開票）を前に、与党・保守党の幹部や候補者らが選挙日程を知りながら、選挙日を予想する賭けをしていた疑惑が浮上している。賭けをしていたとされる関係者が次々と報じられ、支持率が低迷する保守党への打撃となっている。

　２３日付の英紙サンデー・タイムズは、保守党幹部の男性が賭博規制当局の調査を受けていると報じた。この男性は、スナク首相が選挙日を発表した５月２２日以前に数十回にわたって賭けを行い、合計で数千ポンドを得た可能性があるという。

　当局の調査を受けていると報じられた保守党関係者は４人目。うち１人はスナク氏に近い候補者で、英紙ガーディアンによると、発表の３日前に「選挙時期は７月」とする予想に１００ポンド（約２万円）を賭けていた。当時は総選挙は秋頃との見方が一般的で、倍率は５倍だったとされる。

　このほか、スナク氏の警護担当だったロンドン警視庁の警官も同様の賭けを行った疑いで逮捕された。

　英ＢＢＣによると、保守党は２５日、不正賭博の疑惑がある候補者２人について事実上の公認取り消しを発表した。総選挙では政策論争よりもスキャンダルに注目が集まり、保守党は劣勢を挽回する糸口をつかめていない。