100切りに「飛距離アップの練習は必要ありません」。一体なぜ?【100切り】
ビギナーを脱したゴルファーの前に立ちはだかるのがスコア100の壁……いわゆる“100切り”を達成するために大切なポイントとは? 今回は「100切りに飛距離アップの練習は必要?」をテーマに、東京都港区のゴルフスクール「広尾ゴルフインパクト」のインストラクター・後藤悠斗プロに解説してもらおう。
曲がり幅を減らし効率の良いスウィングを目指せば自然と飛距離も伸びる
飛距離アップは良い意味でも悪い意味でも、どこまでも追及していける要素。でもある程度飛ばなければ、打数は減らせないのもまた事実だ。 以前の記事で、後藤は100切りのために飛ばしたい飛距離の基準として「男性の場合ドライバーで平均200ヤード、女性の場合平均170ヤード」と教えてくれた。 その理由は100切りの最低ラインであるスコア99の条件がボギー9つとダブルボギー9つであり、これを達成するには4個あるショートホール、そして10個あるミドルホールのうち5個で「実際にできるかどうかはともかく、飛距離的にパーオンが可能」でなければダボを9つに収めること自体が難しくなるから。 パー4の距離はホールによってブレがあるため一概には言えないが、あくまで基準として男性なら200ヤード、女性なら170ヤード飛ばせれば、パー4でも飛距離的にパーオンが可能なホールが増え、例えば寄せワンなどの良いプレーに頼らずとも、100切りが達成できるというわけだ。 ただ、前述の基準に到達するために飛距離を伸ばすことは大切。しかし「前述の基準に到達していないなら『飛距離にこだわるメリットは大きいです』と言いましたが、だからといって飛距離アップにフォーカスして練習する必要はありません」と後藤は言う。一見矛盾しているようにも感じられるが、いったいなぜなのか? 「レッスンしていても『飛距離を伸ばしたい』と思って来てくださる方は結構多いです。でもみなさんに勘違いして欲しくないのは、正直我々レッスンする側にとって『飛距離を伸ばすこと』と『球を曲げないこと』ってある一定のラインまでは一緒なんですよ。コントロールや精度の面を追求していけば、100切りにおける飛距離の最低ラインって自然とクリアしてくるんです」(後藤、以下同) 曲がり幅を狭めて、目標に向けて飛ばしやすいようにスウィングを改善していけば、飛距離をロスしてしまう当たり方や飛び方もしなくなり、結果的に飛距離も自然と伸びていく。「なので100切りを目指す方が飛距離アップの取り組みをするは必要ないと断言していいと思っています」と後藤。 「100切りにおいては、ボールを曲げない効率の良いスウィングを目指して、そのなかで副産物的に出てくる飛距離アップで必要十分なんです。本当の意味で飛距離を追求していく必要があるのは80台や70台を目指す方たちです。そこまで行くと飛距離的にパー4をパーオンがマストレベルになってきます。そうなると今の時点である程度スウィングが完成されていて、球もそこそこ打てて目標に向かって飛ばせますという方が、さらに飛ばす必要が出てくるんです」 逆に言えば、100切りを目指すゴルファーには、まだまだショットの精度を上げるために効率の良いスウィングを追求する余地があるということ。もちろんOBなどのミスを避けるためにも大切だし、それで飛距離も伸びるならば一石二鳥。 飛ばしもゴルフの面白さのひとつだが、飛ばすために向かい合うべきは飛距離アップ・ヘッドスピードアップの練習ではないかもしれないということを覚えておこう。 協力/広尾ゴルフインパクト
みんなのゴルフダイジェスト編集部