国見、長崎日大のシュートを前半の1本のみに抑え快勝 新人戦を制す
1月28日、諫早市のスポーツパーク諫早人工芝グラウンドで令和5年度長崎新人戦(新人選手権大会)の決勝戦が開催され、国見が昨年の県新人戦覇者、長崎日大を破り2年ぶり25度目の優勝を達成した。 【フォトギャラリー】 国見vs長崎日大 ボールを持って相手陣内でゲームを進めたい両チームのゲームで先手を取ったのは、タイトなプレスを仕掛ける国見。中盤での攻防を押し気味に進めると前半10分、ゴール前の競り合いから出田幸雅が流し込んで先制ゴール。 その後も優位にゲームを進める国見に対し、長崎日大は両ワイドの本多優輝と松本快斗を高い位置に上げて押し返しを狙っていくが、国見はサイドの原田高虎・江藤呂生が逆にその背後を突き攻勢を強化。主導権を握ったままゲームを進めていく。 苦しい時間の続く長崎日大は、19分に位置取りが定まらないトップの石塚涼を下げて古川蔵人を投入。1.5列目でプレーしていた宮崎星来をトップに上げて攻撃を立て直していこうとするが、国見はプレスの連動性を崩さず、前半は1-0の国見リードのまま終了。 午前中に準決勝を戦い、この日2試合目となる両チーム。国見がハーフタイムに一挙3人を交代したのに対して、長崎日大は末光蓮史を投入し選手の配置を変えて後半をスタート。後半に入って長崎日大がボールを保持する時間は少しずつ増えていくが、国見のコンパクトな陣形を崩すには至らず。 終盤になってスタミナが落ちた国見を攻めたてるシーンこそあった長崎日大だったが、後半32分、左サイドでボールを奪いゴール前まで持ち込んだ国見は、途中出場の門崎健一が追加点となるゴールを奪い2-0。そのまま長崎日大のシュートを前半の1本のみに抑えた国見が快勝で県新人戦優勝を飾った。 終わってみれば国見の力強さが目立つ試合となった。長崎日大も散発的にチャンスを作ってはいたが、国見の見せる連動したプレスとコンパクトな陣形を打ち破ることはできなかった。一方の国見は良い守備から良い攻撃へつなげるシーンが多かった。 「2トップやサイドハーフも含めての守備の意識、どこの位置でボールを奪うのかという部分は、今年のテーマになってくると思っています。自分たちでボールを保持するという意識はもちろんありますが、いろんなことができるように、そういうところも意識させてきたい。(国見:木藤健太監督)」という狙いが、チームに浸透している証拠だろう。 加えて、西山蒔人という前線のエースに加え、昨年末のプリンス参入戦で見事な活躍を見せた原田の成長により、本来はサイドの主力である門崎を2トップの一角として使えるようになったことで攻撃の多彩さも増していたのも大きかった。 「去年の選手権予選決勝で敗れたのは、僕もそうですが、選手たちも本当に悔しかったようです。おかげで選手たちも気持ちを新たにしつつも、今年は新人戦から優勝を取りに行くんだという気持ちになっていましたね。大会を通してそういう気持ちが強く出ていたし、練習から気持ちが見えていたので試合を重ねる中で良くなっていったのかなと思います」 試合後の木藤監督はそう語り、選手たちのハートを讃えた。今年は去年よりも高いところを目指すことが目標であり、目指すのは日本一、そして選手権での国立だという。最初の目標である県の新人戦は制した。ならば次の目標は九州だ。この日、国見は次なる目標『九州新人戦』へ向け、力強い一歩を踏み出した。 (文・写真=藤原裕久)