2代目BG5はシーケンシャルターボで250ps!歴代レガシィワゴン全試乗【清水和夫がイッキ乗り】
歴代レガシィツーリングワゴン5車種を、スバルスペシャリストである国際モータージャーナリスト・清水和夫さんが再試乗した模様を動画でお届け。前回の初代BF5に続き、今回は2代目BG5。昭和から平成へ時代が大きく変わった瞬間に生まれた初代レガシィには「運命を持って生まれた」と語った清水さん。さて、2代目の清水考は? IMPRESSION:清水和夫(Kazuo SHIMIZU)/MOVIE:StartYourEnginesX/ASSIST:永光やすの(Yasuno NAGAMITSU) 大小ターボのシーケンシャルツインターボで、パワーは一気に250psへ スバル・レガシィツーリングワゴンの詳しい記事を見る 1989年初代レガシィツーリングワゴン(BF5)登場から4年後の1993年、フルモデルチェンジし登場したのがBG5だ。 「プラットフォーム的には同じだが、ホイールベースが50mm伸びてキャビンが広くなり、釣りやキャンプ、スキーなどのアウトドア派にとってより使い勝手が良くなり、グランドツーリングとアウトドアのユーティリティが上がったモデルだ」(清水)。 エンジンは同じEJ20型水平対向4気筒エンジン。しかし、ターボシステムが大きく変わった。 「大きいターボと小さいターボを組み合わせ、低速域は小さいターボ、その後大きいターボに受け継ぐというシーケンシャル式ツインターボになった。出力は250psだが、ちょっとアクセルを踏んだときのレスポンスが凄くいい。タイムラグはほとんどなく、むしろATの変速のほうが追い付かないような感じ。トランスミッションがビックリするようなエンジンだ」。 「この頃のスバルの悩みはトランスミッション。縦置きで、しかもAWDのため中にデフを入れなければいけないので、世界のトランスミッションメーカーから買うことが出来ず、自前で作るしかなかった。そこがスバルの技術的チャレンジングなところだったね」(清水)。 ドイツ車のようなハンドリング性能を手に入れたBG5 『B-spec』の名が示すビルシュタインダンパー仕様も話題になった。 「とにかくこの2代目はエンジンがレスポンスよく、よりスポーティさが増した。プラス、最初にビルシュタインのダンパーを使ったのもこのモデル。スポーツタイヤも履き、ちょっと固めではあるけどドイツ車のようなハンドリング性能になったね」。 「BG5はニュルブルクリンクでも良く走った記憶がある。ホイールのPCDが特殊なサイズ(PCD100/5穴)だったので、ハブの剛性、ボディの剛性などもっと見直していかないと世界と戦うツーリングワゴンにはなれない…という課題を技術部は考えていた」(清水)。 3代目BH5型でさらに飛躍するきっかけになった、技術的には見逃せないモデルがBG5と語る清水さん。 「初代からわずか4年で250psまでパワーアップしたというのは、エンジン性能としては凄い進化。3代目BH5の280ps+ビルシュタインが、一躍レガシィツーリングワゴンが日本中で話題になった瞬間。その3代目の基礎を築いたのが、この2代目GTだ。この2代目があったからこそ、3代目がさらに光り輝くことが出来たと思う」(清水)。 中島飛行機魂をも感じるBG5 スバル車は戦闘機の魂をも受け継いでいる…と、清水さんは感じるそうだ。 「視界の良さはスバルの伝統。特にAピラー周り、そしてワゴンなのに後ろの視界もバッチリ! さすが元航空機メーカー。戦闘機の視界が悪かったら敵機にやられちゃうからね。敵機発見するにはまず視界! あとはドライビングポジション。このへん、スバルは揺るがないね。ペダルの位置もいいし」(清水)。 スバルを知り尽くす清水和夫さんだからこそ語れるBG5のすべては、動画で! https://youtu.be/iRqlyi0l9Nc?si=hOLbO3KfNNn0YZVi ■SPECIFICATIONS ●スバル レガシィ2.0 GT/B-spec(BG5/1993年10月) 全長×全幅×全高:4670×1695×1490mm ホイールベース:2630mm トレッド(F/R):1465/1455 mm 車両重量:1420kg(4AT)/1390kg(5MT) エンジン:EJ20 水平対向4気筒DOHCシーケンシャルターボ 排気量:1994cc 圧縮比:8.5 最高出力:250ps/6500rpm 最大トルク:31.5kgm /5000rpm 駆動方式:フルタイム4WD サスペンション(F/R共):ストラット式独立懸架 ブレーキ(F/R):ベンチレーテッドディスク/ディスク タイヤサイズ:205/50R16 (F/R共) 車両本体価格(税込):319万円(4AT)/307万円(5MT)
清水和夫