GM会議で本格的なストーブリーグが開幕する
ドジャースのワールドシリーズ(WS)制覇から、わずか5日後。テキサス州サンアントニオでゼネラルマネジャー(GM)会議が開催されている。
そもそも、GM会議とは?
メジャーリーグ(MLB)は、WSが終了するとフリーエージェント(FA)の選手らの移籍市場が活性化する。その導入となるイベントが、GM会議だ。両リーグの球団幹部が開催ホテルの敷地内の広場、あるいは大会議室のようなところに集まり、メディア対応。1日目はア・リーグ、2日目はナ・リーグなどのように割り振られ、2泊3日で開催される。約1時間の取材可能時間がMLBの広報によって確保され、記者やテレビリポーターはお目当ての人物に自由に取材することができる。GM会議の後、移籍市場が大々的に激しく動く12月のウインターミーティングへと推移していく。これが、米球界でのストーブリーグの流れだ。
開催場所は毎年、異なる。昨年はアリゾナ州スコッツデール、一昨年はカリフォルニア州カールスバッドだった。比較的、温暖でリゾート地のような場所で行われる。
各球団の編成部本部長、GM、スカウトら球団関係者に加え、大手代理人事務所の関係者も集結する。タイガースの前田健太投手(36)や菊池雄星投手(33=アストロズFA)や藤浪晋太郎投手(30=メッツ3AからFA)らの代理人を務めるスコット・ボラス氏(72)は、現地で多くのメディアに囲まれた。
「菊池は今オフ争奪戦が激しくなる投手の一人だ。今季のパフォーマンスで先発1、2番手のレベルで投球できることを証明した」
ボラス氏は、菊池がアストロズを含むメジャー球団と複数年契約を結ぶことに自信を示した。メジャー全体は、FA市場で最も去就が注目されるフアン・ソト外野手(26=ヤンキースからFA)の代理人を務める。今オフの移籍市場でもボラス氏がマーケット全体に影響を与えるキーマンであることは間違いない。
GM会議はわずか2日半の日程だが、本格的なストーブリーグの開幕。今季もまた、複数人の日本選手がメジャー移籍を目指す。
(文・山田結軌=サンケイスポーツMLB担当)
山田 結軌