7年前の雪辱へ円熟リードのDeNA戸柱「思い切ってやるだけ」 日本シリーズ26日開幕
プロ野球の日本シリーズは26日、横浜スタジアムで開幕し、圧倒的な打力でパ・リーグを制したソフトバンクと、セ・リーグ3位からクライマックスシリーズ（CS）をしぶとく勝ち上がったDeNAが顔を合わせる。両チームの日本シリーズでの対戦は、ソフトバンクが4勝2敗で制した2017年以来2度目。 【写真】「野球人としてすごい成長できると思えたCSでした」MVPの戸柱 ソフトバンクの強力打線をどう封じ込めるか。浮沈を握るのはDeNAの扇の要、戸柱だ。6月の交流戦3試合は計20失点を喫し、1勝2敗だった。「いかに最少失点で抑えられるか。勝ちを見すぎず、上を見すぎず、思い切ってやるだけ」と挑戦者として臨む。 まさに救世主だった。9月中旬に山本、CS中に伊藤と捕手2人が負傷離脱する中、CSファイナルでは全6試合に先発。エース東を欠く苦しい台所事情の投手陣を丁寧なリードで引っ張り、打っては全試合安打で最優秀選手に輝いた。 シーズンは出場46試合にとどまったが、「投手は孤独だから」と会話を欠かさなかった34歳。出番がない日も自分なりにシミュレーションを重ねるうち、「パズルがはまるみたいに、投手と意見が一致するようになった」。CSファイナルで巨人から奪った49個の三振のうち、見逃しは20個。相手の裏をかく円熟のリードが光った。 2年目で迎えた17年の日本シリーズは、2勝4敗で涙をのんだ。「相手も自分たちも、7年前とは選手もチームの色も違う。終盤戦で緊迫した試合を勝ってきた分、チーム力は7年前より着いている」。届かなかった日本一へ、7年分の経験と成長をぶつける。（川峯千尋）
