「358」が人気の一方で「42」「49」は永久欠番…意外と知らない「自動車ナンバー」の秘密
ナンバープレートの4ケタを好きな数字が選べる希望番号制度がスタートして、はや四半世紀が経過した。 【画像】う、美しい…!『日本レースクイーン大賞2024』グランプリ美女の“輝く美ボディ”肉薄撮 希望番号制度は分類番号が「横浜35」や「品川33」などの2ケタから、「横浜310」、「品川302」など3ケタに代わるタイミングで始まった。普通車は1998年5月から横浜や名古屋など一部地域で開始。その後、1999年5月からは全国でスタートし、軽自動車(自家用車のみ)は少し遅れて‘05年から全国で実施されている。 ナンバーには、事前に番号を指定する「希望番号」と、登録時に自動で振り分けられる「一般払い出し番号」の2つがある。また希望番号は、申請者が多いものは抽選となる。抽選番号の一例で言えば、ラッキーナンバーとされる「7」、末広りで縁起がいいとされる「8」などに因む13種が全国統一で指定されている。具体的には「1」、「7」、「8」、「88」、「333」、「555」、「777」、「888」、「1111」、「3333」、「5555」、「7777」、「8888」があり、これらは全国で人気のナンバーと言える。また、この他にも各地域で抽選番号を指定しているケースもある。 車のナンバーは一度使われた番号は決して他車に使われることがないため、車の登録台数が多い地域では必然的に抽選番号が増えることになる。今回は自動車生活ジャーナリストの加藤久美子氏が、前出のナンバーなどを除いた「意外と知られていない人気ナンバー」とその理由について解説する。 ◆専門家が教える「軽自動車で多い番号」 軽自動車(自家用自動車のみ)で圧倒的に多いのは「2525」(ニコニコ)で、なんと水戸、宇都宮、大宮、滋賀、京都、奈良など全国13地区で抽選番号に指定されている。ユニークな番号でいえば、富士山周辺地域で取得できる通称・富士山ナンバーで抽選対象となっている「3776」だろう。言わずもがな富士山の標高を表す数字だ。 なお、指定されている抽選番号は変動制で希望者の増減によって対象となったり外れたりする。かつては「2020(東京オリンピック)」や「2000(ミレニアム)」などが指定されていたが、今はこれらの番号の希望者は激減しているため指定番号から外れている。 ところで、希望番号でここ10年ほど、急速に増えている数字があるのをご存じだろうか? その番号とは「358」だ。一般社団法人全国自動車標板協議会(以下、標板協会)の調べによると近年、「358」は軽自動車においてダントツに希望者が多いナンバーだという。 ‘21年からは名古屋市で抽選番号に指定された。実際に、標板協会が運営する「希望番号・図柄ナンバープレート申込サービス」のサイトによると、’24年12月30日の名古屋市の抽選分の数字では、「1」、「8」、「11」に続いて「358」は4位となっていた。 では、「358」とはどんな意味があるのか。車のナンバーなどの数字を使った数秘術とカードリーディングで金運や恋愛運などを占っている蝶涼太氏によると、 「西洋占星術やタロットカードの起源とされるカバラ数秘術において、『358』は仕事運や金運アップに大いに期待できる数字となります。『3』は社交性や人脈をフル活用することができる数字で、『5』は興味を持ったことは何でも挑戦することを、『8』は向上心やスキルを高めるといった意味を持っています」 とのこと。また、心学研究家として数多くの著作を持つ小林正観氏が著書や講演において「358」を縁起の良い番号として公表したことも大きいだろう。風水では「3:金運・発展」「5:財運・帝王」「8:最高の数字」となっており、風水の吉数であることも人気が出ている理由と考えられる。 ◆増えている理由は風水以外にも もうひとつ、「358」ナンバーが増えている理由がある。筆者のSNSを通じてナンバーが「358」であるドライバー30人に理由を聞いたところ、6割以上が「縁起がいい数字だから」などと答えた一方で、残りの4割は「特に希望していなかったけど、358のナンバーがついていた」という回答だった。偶然、一般払い出しで358ナンバーが出ることは奇跡に近いのだが……これはどういうことなのか。 取材を進めていくうちに、その答えが見えてきた。複数のディーラー営業マンに聞いたところ、みな同じ回答が出てきたのだ。 「せっかく新車を私たちのディーラーで購入いただいたのに、変な番号で納車してお客様を悲しませることになると申し訳ないので、希望番号がないお客様には358をつけています。最近ではより縁起の良い数字として最後が8のゾロ目になる3588も増えていますね」 という答えだった。ちなみに変な番号とは、「4219(死に逝く)」「4215(死に行こう)」「9696(苦労苦労)」「9646(苦しむ)」「3396(さんざん苦労)」などがあるという。なお、日本のナンバーでは「42」と「49」は縁起が悪いので一般払い出しでは欠番となっているが希望番号では選択が可能である。 希望番号を選べるのは新車の購入時だけではない。管轄変更を伴う名義変更(移転登録)や転居による住所変更(変更登録)、現在のナンバープレートが破損、汚損した場合のほか、「とにかくナンバーを替えたい」という場合もOKだ。もし機会があれば、自らナンバーを選んでみてはいかがだろうか。 取材・文・写真提供:加藤久美子
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