米軍基地跡で見つかった縄文時代の国史跡 当時の暮らしを再現したジオラマも 沖縄・北谷町立博物館がオープン
沖縄県北谷町立博物館が20日、伊平に開館した。隣接する国指定史跡「伊礼原(いれいばる)遺跡」と一体となった博物館で、約7千年前の縄文時代の人々の生活が分かる展示が中心となっている。19日に記念式典が開かれ、町内関係者らが出席した。渡久地政志町長は「地域の文化や歴史を次世代に伝える重要な拠点になる」と期待した。(中部報道部・比嘉大熙) 【写真特集】海岸に打ち上げられたクジラの骨格標本も…北谷町立博物館の中を紹介 常設展示室は「縄文時代の交流」をテーマに、博物館に隣接する伊礼原遺跡の出土品を中心に展示。同遺跡から切り出した地層や縄文時代の暮らしの様子を再現したジオラマもある。 同遺跡は、1997年に米軍キャンプ桑江北側地区の返還に伴う埋蔵文化財調査で発見された。九州の「曽畑式(そばたしき)土器」や縄文時代後期に東北地方で多く作られた「亀ケ岡系土器」の特徴があるかけらなどが出土され、交流・交易が盛んだったことを示している。 式典後に内覧会があり、出席者が学芸員の説明を受けながら見学した。藤彰矩学芸員は「縄文時代の展示が中心の博物館は珍しいと思う。沖縄の縄文人の暮らしを知ってもらえたら」と呼びかけた。 この他、町内の遺跡や海岸から見つかった貝殻なども展示。博物館に入ってすぐの場所には2021年に宮城海岸に打ち上げられた体長約5メートルのクジラ「タイヘイヨウアカボウモドキ」の骨格標本が飾られている。 入場無料。開館時間は午前9時~午後5時。休館は月曜・祝日・毎月第4木曜日。問い合わせは同館、電話098(923)0300。