電子部品40社、4~6月期業績に明暗 スマホ、円安プラスに FAは在庫調整の影響も
上場する電子部品メーカー40社の2025年3月期第1四半期(4~6月)業績は、企業により明暗が分かれる内容となった。スマートフォン需要の回復や円安が各社の業績を押し上げた一方、産機市場を主力とする企業では厳しい結果となった。足元の需要は比較的堅調だが、下期に対する不透明感も強まっている。 【関連写真】電子部品40社の業績一覧 40社の4~6月期業績は、6割の24社が前年同期比で増収、うち10社は2桁伸長した。半面、減収も16社となった。5割以上の大幅な営業増益となった企業が13社と約3分の1を占めたが、営業減益は13社、営業赤字は4社が計上するなど、業績の明暗が分かれている。 前年同期は低迷していたスマホやノートパソコン(PC)などのICT機器向け需要が回復したほか、為替も各社の業績に貢献。サーバー/データセンター向け需要の後押しもあった半面、FA機器や設備投資関連の部品需要は、在庫調整の影響が続き、低調に推移した。 下期の市場環境について現時点でやや慎重な見方が強まっている。背景には、欧米での新車需要の減速や中国経済の先行きに対する不透明感、日米の金融政策変更に伴う為替変動への懸念などがある。 今年度通期の業績予想は、予想を未定としたサンケン電気を除く39社中、約8割の31社が増収を計画。そのうちミネベアミツミとKOA、山一電機、松尾電機の4社が2桁の増収を見込む。営業利益は29社が増益または黒字転換を計画し、うち22社は2桁以上の増益予想だ。37社が最終黒字を見込む。 4~6月期業績の40社合計値は、売上高が前年同期比8.0%増の3兆8308億8900万円、営業利益が同28.9%増の3240億4400万円と大きく増加した。 また、サンケン電気を除く39社の通期合計値は、売上高が前年度比35.4%増の15兆2051億円、営業利益が同36.2%増の1兆3701億6000万円と高い伸びが計画されている。
電波新聞社 報道本部