「ママだよ。大好きだよ」おかもとまり 3か月精神科病院に入院して考えた子どもと自分の強み
そこから積極的に先生や看護師さん、患者さんと話すようになりました。時には別の患者さんの悩みを聞いたり、よく癇癪を起してしまう子の対応を手伝ったりしてました。おかげで先生たちからも頼られることが増えてきました。以前は、ノートにひたすら子どもの絵を描いていましたが、気持ちが外に向き始めたことで、退院後にやってみたいことをメモするようになりました。 ── 精神科病院にはどれくらいの期間、入院されていましたか?
おかもとさん:3か月です。入院当初は、これまで大事にしてきた仕事と子ども、両方を失ったと思って、本当につらかった時期がありました。でも、かえってそれがよかったのか、シンプルに息子を育てるために生きたいという気持ちが芽生えました。 いままでは見返りを求める愛だったと思いますが、入院して何もかもがなくなり、初めて子どもの存在に真摯に向き合ったことで、与えるだけの愛もあるんだと気づけたんです。そう考えたらすごく気持ちが楽になり、自分はどう見られてもいいから子どもを自分の手で育てたい。子どものために働こうと思えるようになりました。
PROFILE おかもとまりさん 1989年生まれ。群馬県出身。ものまね芸人と活動しながら、映画『青の帰り道』を企画し原案を担当。現在は1児の母でありメンタルケアの講演会講師、絵本の制作、ブロガーやインフルエンサーとして活動。 取材・文/間野由利子 写真提供/おかもとまり
間野 由利子