92歳のバラ名人が抱く夢 「雨ニモマケズ」の名前に込めた思い 紅茶のような新品種の香り
賢治にちなんだ名前、10品種以上
これまでに開発したバラは50品種以上。 10品種以上に「クラムボン」「雪渡り」「イーハトーブの朝」など、岩手の詩人・宮沢賢治にちなんだ名前がつけられている。 「バラは病気に弱いのが難点なので、『雨ニモマケズ』という耐病性の高いバラのシリーズを作っている。一般の家庭でも、植えっぱなしで秋まで美しく咲いてくれるような、そんな病気に強い、誰でも簡単に育てられるバラを作り続けていくことが、夢です」 栄誉でなく、バラを愛する人々のために――。 そんな願いがどこか、賢治の生き方にもつながる。 (2024年6月取材) <三浦英之:2000年に朝日新聞に入社後、宮城・南三陸駐在や福島・南相馬支局員として東日本大震災の取材を続ける。書籍『五色の虹 満州建国大学卒業生たちの戦後』で開高健ノンフィクション賞、『牙 アフリカゾウの「密猟組織」を追って』で小学館ノンフィクション大賞、『太陽の子 日本がアフリカに置き去りにした秘密』で山本美香記念国際ジャーナリスト賞と新潮ドキュメント賞を受賞。withnewsの連載「帰れない村(https://withnews.jp/articles/series/90/1)」 では2021 LINEジャーナリズム賞を受賞した>