中国、2024年の消費者物価は0・2%上昇にとどまる 不動産不況背景にデフレ懸念
【北京=三塚聖平】中国国家統計局が9日発表した2024年の消費者物価指数(CPI)は前年比で0・2%上昇した。伸び率は14年ぶりの低さを記録した23年から変わらなかった。中国経済は不動産不況を背景とした内需低迷に直面しており、デフレ懸念を払拭できずにいる。 中国政府の上昇率目標である「3%前後」を大きく下回った。厳格な行動制限を伴う「ゼロコロナ」政策が長期化したため中小・零細企業が倒産して若年層を中心に雇用・所得環境が悪化したことに加え、不動産価格の下落が消費を冷やす「逆資産効果」も重なって耐久消費財に勢いがない。 品目別にみると、自動車などの交通機器は5・1%下落、スマートフォンなどの通信機器は1・7%下落した。中国人の食卓に欠かせない豚肉は7・7%の上昇だった。変動が激しいエネルギーと食品を除いたコア指数は0・5%上昇と、23年の0・7%上昇から縮小した。 24年12月のCPIは前年同月比で0・1%上昇した。11カ月連続でプラスを維持したものの、伸び率は11月から0・1ポイント鈍化。4カ月連続で伸びが縮小した。中国共産党・政府は昨年9月以降、大規模な金融緩和といった景気対策を打ち出しているが、本格的な消費回復には至っていない。 統計局が同時に発表した24年の工業品卸売物価指数(PPI)は前年比で2・2%下落した。2年連続のマイナスに終わった。24年12月では前年同月比で2・3%下落した。下落幅は11月から0・2ポイント縮小したものの、2年3カ月連続でマイナスとなった。