有村架純&坂口健太郎ダブル主演のNetflixシリーズ「さよならのつづき」が釜山でお披露目!「希望をくれるような作品になっている」
韓国の釜山で開催されている「第29回釜山国際映画祭」で10月2日、今年最も期待される話題の配信ドラマを紹介するオンスクリーン部門に日本作品として初めて正式招待されたNetflixシリーズ「さよならのつづき」(11月14日より世界配信)がワールドプレミア上映。ダブル主演を務めた有村架純と坂口健太郎、メガホンをとった黒崎博監督が現地に駆けつけ、上映後のQ&Aに登壇した。 【写真を見る】約800人の観客から大喝采!有村架純&坂口健太郎が明かす、役づくりの苦労とは 本作は、北海道とハワイの壮大な風景を舞台に、運命に翻弄される2人の男女を描いた物語。北海道のコーヒー会社で働く菅原さえ子(有村)は、交通事故で恋人の雄介(生田斗真)を失ってしまう。なんとか仕事に没頭しようとするさえ子のもとに、ある時、雄介の心臓を提供された相手から無記名でお礼の手紙が届けられる。それを書いたのは大学職員の成瀬和正(坂口健太郎)。手術に成功し驚くほど元気になった和正は、時々フラッシュバックする自分のものではない記憶に違和感を覚えており…。 第1話と第2話の上映が終了するや、約800人が来場した満席の会場からは大きな拍手が湧き起こり、観客と一緒に本編を鑑賞していた有村と坂口、黒崎監督の3名は大喝采のなかでステージに登壇。有村は「お会いできてうれしいです。この作品をたくさんたくさん愛してください」と、やや緊張した面持ちを浮かべたまま韓国語で挨拶。一方、坂口も「皆さん、ドラマいかがでしたでしょうか?」と韓国語で問いかけ、会場中から再び大きな歓声があがった。 役づくりについて質問された有村は、「監督やスタッフとみんなで話し合って作り上げていきました」と答え、「日本人はもともと喜怒哀楽を表に出すというよりも、どちらかというと控えめで繊細な表現をすることが多いと思います。ですが、素直な感情を思いっきり気持ちよく表現できるような女性を目指しました。さえ子というキャラクターの強さや無邪気さを表現できたらいいなと思い挑戦しました」と、試行錯誤を重ねながら作りあげていったことを告白。 同じ質問に対して坂口は「本当に難しかったです…」と吐露し、「自分の体があって、そこにある種、2人の意識があって、撮影中もいまはいったいどちらの自分なのか説明できないほどでした」と苦労を振り返る。それでも監督らと話し合いを重ねながら入念に役柄と向き合っていたようで、「紆余曲折を経ながら地道に積み上げるように撮影していき、いまでも正解はわからないですが、みんなで“雄介が入った成瀬”の人物像を作りあげていきました」と語った。 さらに観客から「皆さんにとって“愛”とはなんでしょうか?」という質問が飛びだすと、黒崎監督は「愛とは“恐れ”です。人を愛することはとても幸せなことですが、その愛が自分自身や相手、ほかの誰かを傷つけるものではないかと考えてしまう。そういった、いろいろなかたちの“愛”が、このドラマにはたくさん込められています」と真摯に回答。 続いて有村は「私が思う愛は、“涙”です」と答え、「想うからこそ友だちでも家族でも恋人でも、うれし涙や悲しい涙を一緒に流す。自分の心が1ミリでも動くものに対しては、すべてに愛が生まれている証なのかなと思います」と理由を説明。坂口は「僕は『愛とは?』と問われた時には“自己犠牲”と答えています。恋人同士でも家族でも友人でも、自分のことを犠牲にしてまで相手のためになにかしたくなった瞬間に、初めて愛になるんじゃないかなと思います。だからこそ、自分のなかの愛の許容量を増やしておかなきゃいけないと思いますね」と力説した。 最後に有村は、本作に込めたメッセージとして「大切な人が亡くなった時に悲しみを受け入れようとすると思いますが、どうしたってそこにいてほしいし、触れたいし、声が聞きたいと思うことはきっとたくさんあります。だからこそ、皆さんが想う大切な方たちを、いま一度思うことができたら私としてもとても幸せです。どうか後悔のないように、大切な人との時間を過ごしてほしいです」と呼びかけ、「悲しいことがあっても人生は続いていくので、その悲しみを乗り越えた先にきっとある希望をくれるような作品になっています」とアピール。 そして坂口も、「人間は必ずしも正しい選択はできないし、どうしても間違いをおかしてしまう時もある。それでも僕たちは生きていくんです。悲しいことがあっても、僕らは一歩前に踏み出さないといけなくて、成瀬やさえ子は演じた役ですが、映像のなかで彼らはたしかに存在していて、呼吸をしています。彼らのその生き様やストーリーを、皆さんの心のなかに残してほしいと思います」と語りかけていた。 文/久保田 和馬