森崎ウィン初監督作品がグランプリに! 『ショートショート フィルムフェスティバル & アジア2024』アワードセレモニー開催
米国アカデミー賞公認、アジア最大級の国際短編映画祭『ショートショート フィルムフェスティバル & アジア(SSFF & ASIA)2024』のアワードセレモニーが、 6月17日に東京・明治神宮会館で開催された。 【全ての写真】『ショートショート フィルムフェスティバル & アジア2024』アワードセレモニーより(全12枚) 本セレモニーでは、日本の映画祭では最多となる計5作品が翌年の米国アカデミー賞短編部門にノミネート選考対象作品となるライブアクション部門(インターナショナル、アジア インターナショナル、ジャパン)、ノンフィクション部門、アニメーション部門の優秀賞の発表・授与をはじめ、HOPPY HAPPY AWARDの発表、講談社シネマクリエイターズラボの優秀賞授与を実施。そのほか、「東京」の魅力を発信するTOKYO PROJECTや、HOPPY製作ショートフィルムの作品完成が発表された。 アワードセレモニーは、本映画祭代表の別所哲也と映画祭アンバサダーのLiLiCoが登壇しスタート。「ご来場いただきましたみなさま、サポート頂いております皆様、クリエイターの方々に心よりお礼を申し上げたいと思います」と別所から18の国や地域から参加くださった方々へ改めて感謝を述べ、LiLiCoも「毎年こうして皆様との新しい出会いができてとても光栄です」と喜びの表情を見せた。その後、MCを担当する国山ハセン、望月理恵がマイクを手に取り、セレモニーの幕が上がった。 その後、公式審査員を務めた藤岡弘、、永作博美、本木克英、山崎エマ、ティム・レッドフォード、シャロン・バダル、シンヤマザキが⼀挙に登壇し、それぞれの賞の発表、表彰を実施。ライブアクション部門インターナショナルはポーランドのマテウス・リビンスキー監督『ヤマアラシのジレンマ』、ライブアクション部門アジア インターナショナルはインドネシアのプラディーダ・ブリファ・ラハユ監督『いつの日か』に決定。 そして、俳優でもある森崎ウィンが初めて監督を務めた『せん』がライブアクション部門ジャパンの優秀賞に輝いた。ノンフィクション部門はナイジェリアのジェイコブ・クルプニク監督『ナイジェリアのバレエダンサー』、アニメーション部門はカナダのアレクサンドラ・ミョッテ監督、ジャン=セバスチャン・アメル監督の共同作品『プールのカニ』が受賞した。 表彰後には審査員総評が行われ、ライブアクション部門インターナショナルカテゴリおよびノンフィクション部門の審査員を務めた永作は、「本当にたくさんの宝に出会わせていただいたことに感謝します。審査員としてディスカッションできたことは自分の未来にとっても大きなヒントになりました」とコメント。 ライブアクション部門アジア インターナショナルカテゴリおよびジャパンカテゴリ審査員を務めた藤岡は、「非常に多くの国の伝統、国民性、時代性が描かれていて考えさせられました。映像によって世界が平和に向かっていく希望を感じられる作品をたくさん観ることができ大変嬉しく思います」と、世界の映画業界の未来への熱い想いを語った。本木は映画監督の視点で「自分のライバルである映像作品を見て点数をつけるのはとても楽しかったです。今後の自分の映画づくりの糧にもなりました」と今回の作品や審査について振り返った。 講談社シネマクリエイターズラボ 優秀賞授与では、受賞者の中から石川泰地、古山俊輔、Milda Baginskaite(ミルダ バギンズカイテ)が登壇。プレゼンターの株式会社講談社 代表取締役社長 野間省伸は、「受賞者の皆さんには、そのちからを制作の現場で存分に発揮していただいて、国内外の映画祭受賞を果たしていただきたいと思います。我々も全力で伴走いたします」と想いを語った。 昨年別所がアンバサダーに就任した、なら国際映画祭からは、若手育成を目的にスタートしたプロジェクト「NARAtiveJr」より、ユースの監督が制作したショートフィルム『Muffinʼs Law(マーフィーズ・ロー)』の予告編を上映。トークセッションでは、なら国際映画祭のエグゼクティブ・ディレクターの河瀨直美監督、本作を制作したミラー怜監督、主演を務めた松井遥南が登壇。今回アムステルダムから遠隔で編集作業を行ったミラーは「熱意があれば世界のどこでも映画制作ができるということを確信しました」とコメント。河瀬は「奈良という日本で一番古い街の真ん中に映画というものを置いて、国際文化の発信の場所としてこれから先も営みを続けていきたいです」と、なら国際映画祭についての想いを明かした。 Cinematic Tokyo部門・サステナブル・リカバリープロジェクトでは、小池百合子東京都知事が登壇し、「ショートフィルムは短い分、凝縮して魂が込められていると思います。それら多くの⼈々を惹きつける作品が、東京で生まれ、世界へ発信していくことを期待しています」とスピーチ。その後、東京都と映画祭がコラボレーションしている「サステナブル・リカバリー プロジェクト」から生まれたショートフィルム『紋の光』の出演者である、片岡鶴太郎、前原滉、岩本樹起、マシュー・チョジック、そして監督の安井祥二が登場した。 物語の軸となる東京都の伝統工芸品“江戸切子”の職人を演じた片岡は「この作品をきっかけに、江戸切子を多くの方に知っていただき、日本のウイスキーなどと一緒に使っていただきたいです。撮影は1日限りでしたが、実際の職人さんのアトリエをお借りして撮影をしたので、職人モードになれました」と、撮影時のエピソードを振り返った。片岡の息子役を演じた前原は「お父さんと似ていないな、と思いながら撮影させていただきました」と笑顔でコメントし、息子・和真役を務めた岩本は撮影の感想を聞かれると、元気に「楽しかった!」と答え、会場を和ませた。安井監督は「世界で⼀番優しい場を作るという目標で制作したので、多くの皆様に見ていただきたいです」と語った。