「梅毒」大分県の患者数が最多86人…20~40歳代中心に拡大、妊婦が感染すると死産・早産の原因に
性感染症の梅毒について、大分県は、医療機関から報告された患者数が1日時点で86人となり、現在の方法で統計を取り始めた1999年以降、最多を更新したと発表した。20~40歳代を中心に感染が広がっており、予防の徹底や早期の受診を呼びかけている。(関屋洋平) 【写真】大分県庁
県によると、梅毒は細菌による感染症で、主に性的な接触を通じて感染する。陰部の潰瘍やリンパ節の腫れ、全身の発疹などが現れる。自然に症状が消えることがあるが治ったわけではなく、数年後に脳や心臓に病変が生じることもあるという。
また、妊婦がかかると胎盤を通じて胎児に感染し、死産や早産の原因になったり、先天性の障害を引き起こしたりする恐れがある。
抗菌薬の内服治療で完治できる。予防には性行為の際、コンドームを正しく使用することなどが重要という。
86人のうち、有症状者は56人、無症状が30人。男性が7割、女性が3割だった。年代別では20歳代が22人で最も多く、40歳代が17人、30歳代が12人など。
梅毒は全国的に増加傾向にあり、2022年以降、感染者数は80人を超えている。今年は、最多だった22年の84人を2か月を残して抜いた。
県内の各保健所では無料で性感染症の検査を受けることができる(要予約)。医師で県健康政策・感染症対策課の池辺淑子課長は「放置すれば命に関わることもある。人ごとと思わず、気になることがあれば検査を受けてほしい」と呼びかけている。
問い合わせは最寄りの保健所へ。