2週前には“妹弟子”を祝福 高木優奈は3位発進で「今度は私の番!」
<NOBUTA GROUP マスターズGCレディース 初日◇17日◇マスターズゴルフ倶楽部(兵庫県)◇6506ヤード・パー72 “妹弟子”を涙を流しながら祝福する高木優奈【写真】 「満足です!」 テスト合格こそ昨年だが、プロ生活は6年目を迎える高木優奈が、笑顔で初日を終えた。ティショットをピンそば2メートルにつけたパー3の4番から開演したバーディラッシュで「66」をマーク。ボギーなしが、さらに充実度を高めた。 「今はできることを精いっぱいやるしかない。一打一打、毎日必死に生きています。もちろんシードもあきらめていません」 現在のメルセデス・ランキングは69位。来季シード圏内の同50位に入るためには、ここから少なくとも200pt以上の上積みが必要だが、1998年度生まれの黄金世代の一人は、そんなしびれるような終盤戦にも幸せを感じている。プロテストには6度目の挑戦で、昨年ようやく合格した。2018年の予選会(QT)を経由し、TP単年登録した19年にプロ転向したが、ツアー規定の改定でプロテストに合格しないと原則ツアーに出場できなくなったことで、不遇の“浪人”も経験。「試合に出られることの感謝は今も忘れていません。プロテストを受けないことが本当に一番うれしいです」。 プロテストの厚い壁に阻まれている間に、かつて同じコーチに師事していた5学年下の佐藤心結が21年のプロテストに一発合格し、2週前の「スタンレーレディス」では初優勝を果たした。その大会で高木は初日を首位発進。しかし3位から出た最終日に「76」と崩れ、29位に終わった。 「最終日は悔しくて泣いていたけど、優勝した心結が泣いているのを見て、今度はうれしくて泣いていた。苦労していたのは知っていたので、本当に良かった」 同じ神奈川・小田原市出身。佐藤が小学3年生だったときからの付き合いという“姉弟子”は「もちろん、次は私の番だと思っている」と語気を強めた。 首位と1打差の3位スタート。統合シーズンとなった2020-21年には45試合に出て、4度のトップ10入りなどでメルセデス・ランキング57位にもなった26歳は「自分は気合を入れすぎると空回りする。それはプロテストでよく分かっているので」と苦笑した。自然体で臨む残り3日間。2週前にはかわいい後輩と歓喜のハグをしたが、今度は祝福される側になることをイメージし、「明日はまた一からです」と自分に言い聞かせるように話した。(文・臼杵孝志)