ホテルのチェックアウトは「11時」…ここで儲ける韓国スタートアップの秘けつ
【09月29日 KOREA WAVE】ホテルなどの主要な宿泊施設のチェックアウト時間は通常午前11時だが、この時間から事業を始める企業がある。スタートアップ「11:00」だ。 同社はハウスキーピングの「オンライン・ツー・オフライン(O2O、オンラインとオフラインの連携サービス)」からスタートし、B2Bの空間管理プラットフォームへと拡大している。 イ・ドンヒ代表は、2015年に出張洗車サービスを提供する「O2O」プラットフォーム「チャケア」を創業し、2019年にカーシェアリング企業ソカーに売却してイグジット(事業売却)した経験を持つ。「11:00」は2021年の設立だ。 イ・ドンヒ代表は「チャケアと11:00の市場参入方法は似ている。出張洗車もハウスキーピングと同様に人手をベースにしている。対象が異なるだけで、運営形態には共通点がある」と語った。 従来のハウスキーピングは、外国人労働者や伝統的な人材派遣業者を通じて、建物全体のサービスを一括提供していたが、11:00は委託運営会社を通じた「オンデマンド方式」を採用している。つまり、必要な時に必要なサービスを提供する形態だ。 11:00は韓国で500人以上のハウスキーパー人材プールを確保しており、データに基づいたハウスキーピングコンサルティング、客室の状況に応じた柔軟な人材管理、清掃方式の標準化、リアルタイム監視システムなどが強みとなっている。 イ・ドンヒ代表は次のように強調する。 「月給制や請負制、派遣形式だった従来の方法を、オンデマンド方式に変えて客室ごとの単価に換算した。これにより、ホテルは繁忙期や閑散期に応じたハウスキーピングサービスを受けることができ、固定費を削減できる」 「外国人労働者を数人雇って月給を支払い、清掃を任せればよいと考えるかもしれない。だが、今は外国人労働者の賃金も上がり、人材を確保するのも簡単ではない。単に清掃するだけでは、ホテルの競争力を高めることはできず、専門的なケアが必要だ」 11:00が現在管理している客室数は約6000室に達し、月間取引額は約13億ウォン(約1.4億円)を記録している。10月には損益分岐点を達成する見込みだという。 イ・ドンヒ代表は、チャケアよりも11:00がターゲットとする市場ははるかに大きいと見ている。「韓国のホテル市場の規模は約14兆ウォン(約1.5兆円)で、清掃分野が占める割合は約20%だ。単なる清掃ではなく、空間のケアをすることが重要だ」と強調する。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News
KOREA WAVE