【新木優子】映画『キングダム 大将軍の帰還』インタビュー「私たちには“心の筋トレ”が足りていない」
お互いを想い合いピタリとはまった「王騎」と「摎」の共演シーン
©️原泰久/集英社 ©️2024 映画『キングダム』製作委員会 ー原作『キングダム』は読まれていますか? 作品に対してどのような感想をお持ちでしょうか? 優子さん 「私が最初に『キングダム』に触れたのは映画なんです。第1作を劇場で観て『すごくおもしろい……!」と感動して原作の漫画を読んで、さらに『摎』役が決まってからもう一度読み返しました。 ストーリー自体ももちろんですが、戦国時代の乱世を描いた作品なのに、男くささというよりも、情熱的なキャラクターたちや、繊細な人間関係の描写にすごく臨場感がある点を、特におもしろく感じます。老若男女問わず支持される理由がとてもよくわかります」 ー 「摎」は「王騎」の大切な人として鮮烈な印象を読者に刻みつけています。演じるにあたり、どのようなイメージで現場に臨まれたかを教えてください。 優子さん 「女性でありながら六大将軍という地位を得ているのですから、すごく強くて、身体能力も高く、頭脳明晰で、あらゆることに長けていたのだろうと思います。そんな女性が『何のために戦っていたのか?』と考えて、やはり『王騎』のためかなと。彼の存在はとても大切だったと思うし、彼を想う純粋な気持ちが彼女を強くしていたと思うので、そこを意識しながら現場に臨みました」
©️原泰久/集英社 ©️2024 映画『キングダム』製作委員会 ー「王騎」役の大沢さんは「『摎』とのシーンをずっと楽しみに、大切に思い描きながら8年間駆け抜けてきた」とおっしゃっていましたが、撮影時はどのようなやりとりがあったのでしょうか? 優子さん 「実は作品についてじっくり話し合ったり、現場で『こうしてほしい』といった相談するようなやりとりは特になく、いざ(佐藤信介)監督の『(カメラ)回りました』という合図とともに、お互いに思うがまま自由に演じたように思います。『王騎』と『摎』、ふたりの関係性はすごく特別なものであるという認識が、私たちに最初から共通していたからでしょうか? 大沢さんは、現場でも気さくに話しかけてくださって、すごく優しくしていただきました。大沢さんの存在をきっかけに、すでにできあがっている『キングダム』チームの現場の空気というか、世界観の中にスッと入り込ませていただけたような気がします。本当に素敵な現場だったんです」 ー全体的に過酷な戦闘シーンが多い本作の中で、「摎」を見守るポジションの「昌文君」(髙嶋政宏さん)とのシーンは、愛情とユーモアにあふれていてとても温かな気持ちになれます。髙嶋さんと共演されたご感想もぜひ教えてください。 優子さん 「髙嶋さんはムードメーカーで、現場に入られると空気がパッと明るくなる方なので、お話しするのがすごく楽しかったです。作品で描かれる『昌文君』のキャラクター像そのままのような、安心感のある空気を常にまとっていらしたのがすごく心強かったです。私の役が小娘だったというのもありますが、彼が『摎』を理解し、彼女の周囲を温かく包み込んでくれているから、周りの大人たちも彼女を理解し、将軍たらしめていたのだと思います」