阪神の新4番候補、ゴメスは成功するのか
阪神の沖縄・宜野座キャンプで、たまたま、外国人編成担当に会った。新外国人、マウロ・ゴメスについての話を聞こうとすると、質問をさえぎった。 復活なるか? ゴメスとともに阪神の命運を握る福留 「喋らんようにしてんねん。3人外国人選手が、来て2人が成功しても、一人失敗すれば、糞みそに叩かれる。他球団を見てもらうとわかるけど、外国人選手は、本当にあらゆる角度から情報を集め、綿密に調査しても失敗してしまうケースがある。そのあたりがなかなか理解されないからな」 ■文句なしのパワーを発揮 それほど神経質になるのもよくわかる。今季の阪神の浮沈を握る4番候補だ。そのゴメスは、14日、沖縄・宜野座キャンプで、初めて屋外でフリーバッティングを行った。室内のフリー打撃を見て推定飛距離140mと、“スポーツ新聞らしく”楽しい記事を作った社もあるが、その飛距離も含め、その輪郭を初めて披露した。 45本中7本の柵超え。左超えに4本、右中間に2本、中堅122メートルと表示のあるセンターバックスクリーンのやや左にも1本。広角に打ってみせた。タイミングの取り方は、ヤクルト、巨人、横浜で活躍してBCリーグへの移籍を決めたラミレスに似ている。確かに当たれば飛ぶ。 近年、トレンドでもあるドミニカ出身。メジャーでは、ほとんど活躍はできなかったが、マイナーリーグでは、この2年で24本塁打、29本塁打を記録した。広島の井生崇光スコアラーは、「飛ばすパワーはありますね。形を見る限り、癖はない。柔軟さも持っている。横浜のブランコと中日のルナの間くらいのイメージです」と言う。 ■阪神以外も獲得を検討していた GM付育成&打撃コーディネイターの掛布雅之氏も「パワーよりも柔らかさを感じる」と一定の評価を与えていた。この日、宜野座のネット裏には、西武ライオンズの外国人担当の編成である宮田隆氏が、視察に訪れていた。彼から、たまたま面白い話を聞けた。1塁もしくはDHのポジションで、長打の期待できる打者として「西武も、獲得候補選手として上から2番目の評価でリストアップしていた」と言うのだ。 「うちだけでなく、日本のいくつかの球団がマークしていた選手。それだけに、どれだけできるかに注目しています。パワーという点については文句なし。問題は、落ちるボール、外角の変化球にどれだけ対応できるか。どれだけ見極めることができるかという点。それには日本野球への適応力、順応力が試されることになるでしょうね」